2011/11/04

PBP2011 Stage13_3:国と国との戦い

  PCでは何人かの日本人に出会う。休憩の度に前後が入れ替わるため、誰が前にいて誰が後ろにいるのかは皆よくわかっていない。
ここFougeresでは、PC1で会長がコウタローさんに会ったという噂を聞いた。

  コウタローさんは80時間の部で16時スタート。みどりさんは18時スタートでもPC1到着は多分私より遅かったはず。となるとコウタローさんはPC1でタイムアウトしているのではないか?
  彼は走力的には全く問題ないのだが、寝ないと走れない先輩であり、PBP前に日本のAttack!299というイベントで会った時は仕事でPBPに行けるかどうかわからないと言っていた。
無理なスケジュールでフランスに来て、眠くて休みながら進んでいるのだろうか?


  食堂ではinainaさんらのグループと会った。一緒に並び、フランス語のメニューを説明してもらう。
ここで前に並んでたオジサン(結構高齢)がいきなり後ろにバタンと倒れる。意識はあるようで、救急スタッフが医務室に連れていった。
inainaさんから日本人でも落車して傷を縫って走っている人がいると聞く。みんな大変だ。

  メインはチキンやビーフなど数種類から選べて、そこにパスタとかライスとかを盛ってもらえるのだが、2,3種混ぜて盛ってもらっている人がいてシステムがよくわからない。値段はどうなるのだろう。


  ビーフにはライス、チキンにはポテトを盛ってもらった。1種類だと沢山盛ってくれるようだ。
inainaさんはオバチャンに「パスタそんな量食べれないから半分にしてよ」と伝えていたが、オバチャンは笑顔で「半分なんて無い、モリモリ食えー」(多分そう言っている)とモリモリよそっていた。
  食べきれないということで半分分けてもらう。ビーフが硬くて死ぬほどマズイと言っている人がいたが、私は肉ならなんでもOK。いや実際美味かったし。非グルメ万歳。

□8/22 11時30分。 Fougeres(第2PC)出発。ここでの滞在時間は1時間半ほど。

  大塚さんと一緒に出発してしばらく楽をさせてもらう。
確か前回はFougeresを抜けた後に細い激坂があったんだけど、どうやら今回はそこを通らない。微妙にコースが変わっているのか、それとも記憶違いか。

  街を出て10km強。長い直線でゆるやかな下り、右側にSTOPの標識と直交する道を死角にする家。ここだ、前回事故に合ったのはここで間違いない。

  停車して思い出の場所を写真に撮ろうとした。
交差点にはアジア人らしき参加者が止まっており、警官と何か話している。同国だと思われたのか不明言語(中国語?)で話しかけられた。

  もしかして同じ場所で事故?
言葉がわからないので首を横に振りながら通過する。外傷は無さそうだし警官も来てるから大丈夫だろう。
こんな所でカメラを構えたりしたら人の事故を撮っているかのよう。写真は諦める。

  下り基調を35km/hペースで引いてもらって25km。疲れて失速してきた。
眠いような気もするし、眠くないような気もする。なんだか自転車を止めて休みたい。大塚さんと別れて一人。
  一人になると堕ちるとこまで堕ちる。ちょっと進んでは停車の繰り返し。
さっきから4,5km走ると足をつきたくなるようだ。こんなことしてたらどれだけ時間がかかるかわからない。残り900kmを4.5で割ると200。200から止まる度に1ずつカウントダウンしていけばゴールが近づいてくる実感がわくのでははないか。うんこれはいい考えだ。199、198、197…

  減らない。余計にゴールできる気がしなくなった。困った。
その横を坂東さんが北欧っぽいジャージの人と2人でローテーションしながらカッ飛んで行く。あ、これについていこう。

  2人はかなりいいペースで先頭交代を繰り返す。坂東さんはUKジャージを着ていた。すでにジャージ交換したのだろうか。
「そのUKジャージどうしたんですかー?」と話しかけようとよく見たら、全然坂東さんじゃない。しかもたいして似てない。生粋のイギリス人だ。

  ローテーションに混ざってしまったので3人でくるくる頑張る。
何か皆ムキになってきてどんどん速度が上がっていき、先頭の時間もどんどん短くなる。これがksk氏が前回言っていた国の威信をかけた先頭交代か。
  途中一人を吸収して4人になったが、その人は1度前に出ただけで千切れた。そして後ろから北欧ジャージの「きれるぅ」という悲しそうな叫びが聞こえる。本当にそう言ってる(ように聞こえた)のだ。

  あとはUK偽坂東さんと2人でくるくる。すぐに次のPC、Tinteniacに着いた。後で確認するとまわしてたのはたった10km足らずだったようだ。しかし楽しかった。こういう走りをすると後で疲れがくるのはわかってるが、走っている間は集中できて眠気も吹っ飛んで気持ちイイ。

  ハァハァする息をこらえながら、UK氏に「グッジョブ」と涼しい顔でお礼を言う。向こうも凄く涼しい顔をしていた。

■8/22 13時30。364km地点、Tinteniac(第3PC)到着。


  ここでは補給食にバーを買い、あまり休憩せずに出発する。
あまりせず、と言っても20分も経過していた。

□8/22 13時50。 Tinteniac(第3PC)出発。

  PBPは街、教会、街、教会が延々と続いて飽きるという。
その話を聞いたとき、前回のフランスアルプスのように景色のいい山道を数10km下ると前方に集落が、なんて感じかと思っていたが違った。

  適度に栄えて適度に廃れた、そんな感じの道でアップダウンが続き、教会を通り越したらまたすぐ教会。代わり映えのしない景色。確かにこれは飽きる。


  ビーフライン(埼玉ブルベで使われる広域農道)のようなアップダウンが基本といえ、区間によっては登り基調、下り基調がある。
そしてこの区間は登り基調。登りでへたれているタンデムに追いついた。

  ロードとは速度が合わないと、さとう(夫)がボヤく。
下りでブチ抜いても登りで置いていかれると。そしてその下りですら集団で列車作ったりして卑怯だと言う。
落武者を名乗る彼の日記はいつも苦しそうだが、毎回なんだかんだ言いながらも完走するうえに、そこまで苦労はしていない気がする。

  落武者詐欺ではないかと尋ねると、たまに会う人に「落武者の人ですよね」と言われると答えた。
やはり彼の落武者はブラフだと思う。皆の期待に応えるため、無理に落武者を演じている。


  前に見える教会さっきも見た、と私も一緒にボヤく。
同じところをぐるぐる回っている気がしてくる。

■8/22 15時。 390km地点、Quedillac(シークレットPC)到着。
スタッフの指示に従い停車する。


  ここには軽食コーナーがあった。一旦現金で金券を買って、それで物を買うというちょっと面倒な仕組みになっていた。

  コーラとチョコレートを数個買って口に入れる。
さとう(妻)がなにやら怪しげなものを食べていてなかなか美味しいと言っている。そば粉で作られた甘くないクレープでガレットというのだそうだ。

  彼らは少しの休憩後に出発するようだったが、五月蝿いオッサンが2人の愛のPBPをこれ以上邪魔するのも気が引けたのでここでお別れ。


  ガレットを買ってみた。中にソーセージが入っている。
食べた後は机にうつ伏せになり、少し寝る。



2 件のコメント:

  1. 前回は山田さんと日本を代表して戦ったんだよねぇ。
    ドイツとイタリアは仲間です。

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  2. なんか山田さんと戦ったみたい。

    イタリアはPBPでは前引いてくれないって評判ですよ。数人が嘆いてましたもん。彼らは自国の集団で走ってるからなあ。
    でもイタリア行ったらロード乗り陽気でチャオってよく声をかけられました。

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