2013/05/31

SR600Fuji後編 カモシカは牛

○5/26
  目覚ましを5時半にかけるも4時頃目が覚めた。
眠りに落ちた時刻はよく覚えていない、21時前だろうか。睡眠時間は7時間ちょっと。起きてしまったので出発の準備を始める。

  ビーナスライン、去年走った時は寒かったんだよな。
標高1600mくらいをやや長めのアップダウンが続き、登りで汗をかいても下りで冷えるの繰り返しでウインドブレーカーを着たり脱いだり繰り返した記憶がある。
  反射ベスト問題で着脱が面倒なため、出来れば暖かい時間になってから走りたい。しかし夜暗くなってゴールするのは嫌、のギリギリを狙う。

  出発は5時にしよう。これなら14時間かかったとして19時ゴール、道志みちはまだ寒くないはず。それに12時間ホテル滞在ってなんかキリがいいし。と5時までスマホを弄りながらグダグダ。さて出発しようと部屋の鍵をフロントに置き外に出ると…パンクしてる。
  空気は抜けきっていないからスローパンクだろう。修理を試みるがパンク穴の位置がわからない。予備のチューブは1本、ここで使ってしまっては道中なにかあった時に困るため、穴を見つけてパッチで直したいところ。フロントに置いた鍵を取り、一旦部屋に戻ってトイレの洗面台に水を溜め、パンク箇所チェック。しっかり直して再出発は5:35。ホテル滞在時間は12時間半となった。

  次のPC、信濃国分寺はすぐ先。
GPSに登録したポイントがずれていて国道18号に出る前にPCだと勘違い。見つからずうろついた後、キューシートを見て確認。


□PC6信濃国分寺(295.5km) 5/26 5:44


  さてここから先は美ヶ原へヒルクライム。
毎年6月末に行われている松本から美鈴湖を通って最高点である王ヶ頭手前まで行くヒルクラのコースとは違って、今回は東側を北から南に抜け扉峠へ。
  美ヶ原は山頂である王ヶ頭付近がダート。その周りを舗装された道がぐるっとまわっている中、今回のコースだけは今まで通ったことが無い箇所だ。

  twitterを見ると立川さんは4:20頃にPC6を通過したようだ。次のPCまでの登り区間で追いつけるか?
昨日に続き今日もまた彼を追いかける形となった。目標があると飽きずに走れていい。お互い勝手に走っていて、勝手に目標にしてるだけだが、そんなんでもかなりありがたいと思う。

  カーブを曲がったら姿が見える、カーブを曲がったら姿が見える。
頭の中でブツブツ唱えながらいくつかの曲がり角。崖の上になにかの影。もしかして…


  カモシカ?
野生の生カモシカなんて初めて見た。

  今回PC以外の写真は撮るつもりは無かった。しかしカモシカは牛。去年の美ヶ原ヒルクライムの日記で書いたようにシカで無くウシ科の動物なのだ。
  シカなら迷わずスルーも、牛である以上撮影しないわけにはいかない。
しかしアナタ、その体で本当にウシなの?


  「ハイハイ、写真撮るよー」と声をかけると寄ってきた。近っ。この反応は間違いなく牛。
しかし意外にゴツい図体に、角でウリャーとやられるのではと内心ビビりまくり。

  そうだ、牛と戯れていて忘れるところだった。立川さんを追ってるんだった。
しかし既に標高は1600m超。ダメか、次のPCまでで追いつけなかったか。

  ここで大きな勘違い、美ヶ原は王ヶ頭がピークでその標高は2034m。この為周回を走るコースは2000mに到達することは無く、今回のピークはPCの先の扉峠1600mだと思っていたのだ。1700mを超え、頭上に見えた建物。もしかしてあそこまで登るの?ピークは1600m程度じゃ無かったのね。

  これなら追いつけるかもと慌ててダッシュ。


  いたー。PC手前、第1カーブの写真を撮っていた。
「あんまり寝れてないよ」なんて言っていたものの元気そう。いつもと同じで覇気に満ちている。

  一旦別れてその先のPCへ。


□PC7道の駅美ヶ原高原美術館(332.5km) 5/26 8:08


  直ぐに立川さんも到着。


  しかし齢70を超えてこの活力は本当に凄い。自分が同じ年齢になったときにここまで元気に走れるとは到底思えない。
  少し話した後は一人先へ。


  このPC、美ヶ原高原美術館は標高1900mを超えるところに得体の知れないオブジェクトがわんさかと並んでいて面白そうだった。
外から敷地内の謎オブジェ群を撮りたかったが、牛で無いので先を急ぐ。

  扉峠まで下った先は去年6月に走ったのとほぼ同じコース。しかし思ってたほど寒くない。
富永さんにも「ビーナスライン寒いよ」なんて言ってしまった。これならもっと早い時間に出ても全く問題なかったではないか。
  相変わらずの絶景を眺めながら、三峰展望台、八島湿原、霧ヶ峰、車山を越え、白樺湖へ。車山は一度泊まってみたいと思っていたっけ。次にSRを走る時はもう少しノンビリしたペースにしてここに泊まろうかしら。


□PC8女の神展望台(378.4km) 5/26 10:24
  ホテルを出てからここまで86kmに5時間弱。予定より大きく遅れている。

  去年と比べロングを走っていないのが祟ってか2日目のペースダウンが大きい。
ただ出力的にはそこまでタレタレになってるわけではなく、これでこの時間ということはこの区間は難関区間だったということか。去年のサイクリングから本気で走れば4時間弱と考えていたのは完全にコースの読み間違いだったようだ。
  ここから挽回して14時間でゴールするのはもう無理だろう。しかし14時間半、20時までに辿り着けばゴールタイムは40時間。普通のBRM制限時間内になるわけで、ここはなんとしても死守したい。それには麦草を午前中に通過が最低条件か。脚が重い…

  今回のコース、ここまで別にキツいとは感じていなかった。
同じ制限時間で累積標高が多かったら確かにキツい。だけど先日の日記で書いたように、300kmブルベを15時間で走れる程度の脚があれば通常の600kmより時間は余る。走る時間が増えたぶん、多く休憩できて帳消し。そんなところだと思っていた。

  去年の静岡600と比べて初日の出力は同程度。時間は13/12倍以上かかっているので、疲れも13/12倍。そんなもの。2日目の出力が落ちているのは単に走りこみ不足。

  だけど、筋肉が受けているダメージとそれから制限時間を考えながら麦草を登っていて、やっぱりこのコースはキツいんだなと思う。
  コイツはユルく走らせてくれない。平地30km/hから20km/hに落とすのと、登り12km/hから8km/hに落とすのとでは同じ割合でも全然違う。いくら軽いギア比を用意しても後者はキツい。全力で走るのを比べたら時間が余るぶん楽だけど、脚を止めてダラダラと走るってのは出来ないんだ。


□PC9メルヘン街道最高地点(400.5km) 5/26 11:50
  麦草登坂も予定より遅かった。でもここから大きな登りは河口湖までを残すのみ。
下り、特に清里から韮崎までは高速区間のため、これで登りの時間を帳消しにできAve25km/hはギリギリ行けるかもしれない。

  麦草下って野辺山へ。前から来たMTBの人がフル雨具。
なんで?と思ってると野辺山登り口で線を引いたように濡れている路面。突発的な通り雨でもあったのか、よかった、朝パンクしてなかったら直撃するところだったよ、運がいい。
  ってウネウネ登ってヘアピン部分に差し掛かると、いきなり大雨。

  防水で無いカメラを腹に抱えて雨宿りできる場所を探す。こんな何も無い位置で降り出すとは、なんて運の悪さ。


  2km程先の工場軒下で雨宿り。一気に降ったため全身がずぶ濡れになってしまった。
空は明るいから直ぐ止むだろう。


  暫く経つとすっかり青空、よかったよかった。
しかし体は濡れて寒いので、早いとこコンビニに寄って着替えないと。


  汚くなったアルクマ。
インナー着替えて、寒さでお腹壊しちゃってトイレ行ってるうちに雨。
直ぐにでも止みそうな天気なのにと1時間強雨宿り続行。止んで出発するとまた雨。再びコンビニへ。


  ああ、そ~らはこんなに青いのに、


  どうしてこんなに降ってるの。

  雷が辺りにバリバリ落ちだして、バイクの人までコンビニ軒下に避難して笑ってる始末。南の青空は消え去ってしまう。あれ?
  低い位置にある雲が南から北へ流れていたのといい、雨が降り始めた状況といい、「天気は南から回復に向かっている」と思い込んでいたんだ。富永さんのツイート情報で、今日は清里、韮崎と夕方雨予報、今後雨は南に向かっていくと知る。

  止みそう、止みそう、と既にここで3時間。
雨だしもう走るの止めちゃってもいいかなと消えかけたヤル気を奮い立たせてカッパ購入。濡れたソックスも替えてコンビニ袋で防水する。
  再び戦意を取り戻した私に、神はささやかなプレゼントを下さった。セブンイレブンのクジが2枚とも当たったのだ!


  何故ガリガリ君…寒いっての。(もう一枚はポカリ)


□PC10JR鉄道最高地点(436.9km) 5/26 16:03
  もうこれで明るいうちにゴールは無くなった。
結局道志は暗くなってから下るのか。いつもいつも道志の下りは夜。寒かったらストッキングでも買えばいいかと韮崎へ。

  全く、もう雨は散々走ってるから雨経験値なんて要らないんだよ。十分なんだ。峠を集中して登りたいんだ。
  雨雲を追い越し、駅が近くなるころにはすっかり小降り。
またお腹が冷えた。トイレ、トイレとコンビニへ。ステーン。コケた。


  頭を打ってガンガンする。ヘルメットは割れていた。

  自転車は無事、転んだ直後は動転していてあまり感じなかったが、その後徐々に大腿の付け根に痛みが。バカすぎる。雨経験値要らないってグレーチングの段差で転倒なんて全然足りてないじゃないか。

  鈴木家は下り安全運転だとか、公道走るから安全マージン大きくなんて言っておいて落車。これだけで全ての言葉がウソ。走行テクニックも状況把握能力も低すぎ。
  すっかり上がった雨。立川さんが軽快に通り過ぎて行ったが声をかける気になれず。(時間無いとこ止めちゃうのも悪いし)


  車道-歩道の段差を前輪上げながら乗り越えつつハンドルを切って角度を鈍角に、でグレーチング乗り越え。という目論見が失敗。
  韮崎周辺のこの排水溝、グレーチングだけでなくてコンクリート蓋部分にも金属のエッジがあって危険ってのは知ってたはずなのに。考えていた速度では減速が十分でなかったんだろう。

  その後は痛む脚をダラーンとさせて韮崎駅まで下り、ダイソーで自転車カバーを買って輪行で帰宅。
うまく歩けず自宅到着は25時。今期怪我だけは避けたいと思ってたのにな。

  威勢のいいこと言ってたわりにはあっけない幕切れでリタイア。またリタイアだー。



■5/26
走行距離: 175km
累積標高: 3806m

2013/05/30

SR600Fuji前編 久々のロードでロング

○5/25
  オダックス埼玉が主催するSR600Fujiの出発日。
SR600についてとコースのザックリとした感想は前回の日記に。

□準備
  今回のSR600出走にあたってこの日を選んだのは、翌週の富士ヒルクライムの調整のため。
セオリー的には前週は高強度短時間にすべきなのだが去年前週に山岳コースの静岡600kmを全力で走った結果ヒルクラの結果が予想以上に良く、今年も似たようなスケジュールを。

  本気で走るので久々にBMC。BMCというよりロードで走ること自体が久しぶりなのか。
福岡から帰ってきてから車坂HCでロードに乗ったものの、タンデムの感覚が残ってしまっていて違和感ありまくりだった。今回のSR600はロードの感覚を取り戻すというのも大きな目的。実走感とも言うべきか、なんだかんだ言って実走で走ってないとダンシングのタイミングなど何かシックリこないのだ。


  いつもの「どーもくん」で無くて「アルクマ」を吊っているのは色のバランスで。
荷物はかなりの軽装。防水性があるウインドブレーカーを背中に入れ、サドルバッグには防風長袖インナーと長指グローブ、レッグウォーマー。ツール缶に電池と洗剤。
2000m超の山岳を2つ超えるコースだが、夜走るつもりはないためこれで十分。

  そもそも今回は練習目的であって、完走は二の次。この装備で寒くなるってことはタレてきて出力が出せないってことなので、そうなったらもう走る意味は無いし、リタイアしてしまってもいいかな気分。


  必要なデータはスマホに入れるも電池が切れたら役に立たないためアナログで準備。
それにPCでササっと証明写真を撮る場合、こうやって紙に印刷しておいたほうが比較しやすくてよさそう。


  あとはこれをジップロックに入れてカメラ用の小バッグへ。
雨が降ったら防水でないカメラはこのジップロックに一緒に入れればいい。

  さて走行時間の皮算用。
スタートは明るくなり始める時刻ってことで4時で申請。途中中間地点の上田に宿を予約した。
  今回のSR600と似たような山岳コースとしては宇都宮の渋峠ゴールなBRM200km。あれの累積標高が5000くらいだから、上田まで300kmというのは[宇都宮ブルベ]+[下り基調100km]で計算すると良さそうだ。宇都宮はTTバイク改で走って10時間弱。ロードで全力なら9時間半を切れる感触はあったから、300kmを13時間半というのが目標か。ややタレるのを考えても14時間以内では走りたい。
  これなら上田に18時着。12時間滞在して翌日6時に出発し、ゴールは20時。最後の道志みち以外は殆ど明るいうちに走れそうだ。

  準備に手間取ってあまり寝付けず(その代わりに前日は全く自転車に乗らない休養日となった)、朝2時15分に自宅スタート。
スタート地点の高尾駅までは30km。


  高尾駅には3時40分くらいに到着し、スタートまで時間を潰す。

  しかしロードは楽しい。ここ暫くタンデムに乗っていてサイコン上に30km/h以上の表示を見ることがあまり無かった。もしかしたら本気で走っても30km/h出ない体になっているのでは、なんて心配は杞憂だったようだ。
  ガツンと踏むとガツンと加速してくれる。踵と爪先のカップが破損したナイロンソールではなく、カーボンソールのシューズも気持ちいい。とにかく全てが気持ちよく、自転車が「速く走れ」と言っているような気がする。最近機材についてはどうでもいいと感じているが、流石にタンデムは無しだ。

□スタート 5/25 4:00
  駅前の711で4時ジャストにレシートを貰い、スタート。買った補給食やドリンクをセットしていて出発は2分後。本気でタイムを削りたいならこういう所をなんとかしないといけない。まあそこまで1分1秒を争う気は無く、途中のPCでは通過時間程度をtweetしようと思う。

  今回一緒のスタート時刻で申請した富永さんは体調不良でDNS、一緒に走れないのは残念だが、5時間先に立川さんがスタートしている。
  「渋峠で」なんて言っていたけど208kmで5時間差を詰めるのはかなり厳しそう。おそらく立川さんの速度なら渋峠まで14時間。9時間で走れば追いつけそうで、当面はこれを目指して。

  高尾駅から北に向かうといきなり結構な斜度の坂。その後青梅市街までは、市街地というほどでは無いけれど、多少信号に引っかかる。
  こういったストップ&ゴーが続く区間では一気に加速した所で停車時間や加減速で時間がかかり、平均速度なんてたいして上がらないんだがスタート直後で気分が乗ってて無駄足を使う。青梅あたりでちょっと反省。しかもここで500m程ミスコース。

  青梅を越えれば走り慣れた快適な道。小沢峠を越え、山伏入り口へ。
5:30を予定していた峠開始の右折ポイント到着は8分遅れ。青梅までで結構かかってるのか。

  そのまま淡々と山伏峠を登り、PC1到着。


□PC1山伏峠(45.7km) 5/25 5:54
  予定より9分ほど遅い。いくらスタートより450mほど標高が高いとはいえ、今回のコースで軽井沢までは25km/hを上回れないようじゃ全然ダメ。
写真を撮って、通過時間をtweetして、この間3分。急いで下る。

  峠の気温は11℃。流石にウインドブレーカーも着ずに下るのは肌寒いが、秩父まではあっという間に着くだろうと半袖のまま。
  峠を下って国道299号に出てからはタイトなカーブが無くなる高速下り区間。といっても大型車がかなりの速度で走っているうえに道路中央にはポールがある区間も多く、ポールが無い位置で左に寄って大型をパスさせる意思表示。秩父まではあっという間で一気に時間を取り戻す。

  80km弱の地点。小さな、標高差100mほどの峠を登った所で後ろからダンプカー。GPSを見るとこの先かなりウネウネと登りが続きそう。道の脇でパスさせたら、なんとここから先は下り。何のためにパスさせたのか全くわからない。ガックリ。
鬼石町の市街を抜けるまではダンプ多し。この後はまた快適に。

  碓氷峠入り口で工事を行っていて片側交互通行。丁度青だったためダッシュで通過中、ロード乗りが居て挨拶。
めがね橋、めがね橋はどこだ。予定していた9:21(Ave25km/h)に到着できるのか?と必死で漕ぐ。


□PC2めがね橋(133.5km) 5/25 9:09
  予定より10分ちょっと早く到着。まずまずといった所。
写真を何枚か撮った後にスマホを取り出す。PC1でのツイートが圏外で送信されていなかったようだ。
  この地点も電波状況が悪く、鳥マークがクルクルと送信中を示すものの、暫くすると「送信できなかったため下書きに」メッセージ。ソフトバンク、本当に最近繋がるようになったのか?

  9:15に諦めて出発。こんなことで5分以上経ってしまったのか。
走行時間で5分削るのは大変。そこまですることに何の意味があるのか自分でも良くわからないが、休憩をギリギリまで削るっていうのも面白い遊び方ではある。

  9時を過ぎているのに空は薄暗く、降り出してもおかしくない感じがする。
時間に余裕が出来たこともあり碓氷峠はダラダラと通過。めがね橋から峠ピークまでは9km。この9kmに33分。たいして斜度がある峠でも無し、これはちょっとタレすぎた。速く走ろうと思ったら登り区間で速度を落とさないことが最重要。
  更に峠ピーク手前で私より年配っぽい方に抜かれる。「こちらは100km走っている」なんて言い訳にならない速度差だ。確実に彼のほうが速いなとショック。

  峠を越え、中軽井沢交差点で9:56。25km/hから1分遅れ、出来れば草津まで25km/hをキープしたいが。

  軽井沢を右折すると今まで曇っていた空が急に晴れ、日差しが強くなってきた。ここからの登りは南斜面、8kmで450mとなかなかの斜度。
  軽井沢ではまだドリンクは残っていたし、エネルギーバーやパン等1500kcalを超える量持ってきた補給食に残りもあった。コンビニに寄らず登り始めたものの暑さであっという間にボトルは空に。補給食も底をついた。
  普段ブルベでダラダラと走っている時はハンガーノックになることは殆どない。強度が低いため消費するエネルギーのうちの多くは脂肪で賄えるのだが、この日の強度では糖質が無いとどうにもならない。ここまで3200kcal以上消費。朝食べたぶんを合わせてももう少し食べないとダメだ。いや、食べ物よりも飲み物が、もう喉がカラカラ。

  登りピークのあたりに公衆トイレがあり、水を汲んで生き返る。
「この水は飲めません」とあったが、飲めているので問題は無いだろう。「飲むとお腹を壊します」だとかなりマズイけど、脱水症状になるよりかはマシなはず。

  下りで時間を取り戻して、って登り区間の最後は10km/h程度にまで速度が落ちている。取り戻せるはずもなく群馬大津。
  この下り区間の舗装には走ると音楽が鳴るメロディーラインが彫ってあった。以前草津手前で「ディスクホイールなら自転車でも聞こえるのではないか」と試したものの全く聞こえず。風切り音が大きいから認識できないのかもしれないとフレームに耳を付けようとしたが、それはあまりにアクロバティックな体勢で諦める。

  群馬大津からはまた登り。しかし暑い。水分の補給は出来たもののカロリーが足りない、エネルギー不足で気分が悪い。吐きそうで固形物は食べられそうに無い。
  草津に入った左折ポイント189km地点のコンビニに寄る計画だったが、手前3kmほどにもコンビニがありピットイン。ウィダーinゼリーを5個買って胃に流し込もう。

  店内に入ってゼリーコーナーを見ると、ウィダーのエネルギーが1つも無い。それどころか「朝バナナ」等の200kcalなゼリーは全て売り切れ。残っているのは蒟蒻なんとか。もしや、犯人は立川さんか!
  高カロリーなピルクル500mlを買って、あとは何を血迷ったかカツサンド。ピルクルを流し込んだ後にカツサンドを詰め込むが、吐き気がして食べられない。何故カツサンドなんて買ってしまったんだろう。それでも無理やり胃に詰め込んで補給食も背中に詰め、ボトルの水を満タンにし、出発。
  このコンビニには11:44到着、11:55出発と10分ほど滞在。もっと早く、5分x2回にわけて補給すればこんな胃のダメージを受けることも無かったのに。

  ツールド草津スタート地点は12:15に通過。予定ではここを12時前に通過し、渋峠まで1時間ちょっと。これで9時間となるはずだった。
  この時間ではもう立川さんには追いつけないかもしれない。下りで追いつくことは無いだろうからここ渋峠を逃したら次は菅平か。とにかく「あの曲がり角を曲がれば立川さんが見える」と思い込んでひたすら登る。詰め込んだカツサンドが口の中まで何度か上がってきたが、貴重なカロリーを失うわけにはいかず飲み込む。しかし気分が悪い、当然出力も出ない…

  白根レストハウスまでの自己ベストは36分台、今回は55分もかかっている。自転車がツーリング用とはいえもう少し速く登れると思っていた。今時点での調子はこの程度なのか。このあたりまで登った時点でようやく気分の悪さも落ち着いてきた。食べたものが多少なりとも消化されたのかもしれない。
  レストハウスから渋峠までの間に3UPのジャージ(秩父のクラブチーム)を着た人何人かを追い抜いた。練習会でもやってるのかな。


□PC3渋峠(208.1km) 5/25 13:30
  9時間目標からは30分の遅れ。ちょうどこの地点に3UPメンバーが勢ぞろいしている。Attack!299で何度かお世話になったことがあり、メンバーは私の顔を覚えてくれていたようで「鈴木さん?」と声をかけられた。
  SR600という山岳ブルベを走っている最中であること、証明写真を撮らないといけないことをササっと告げて下る。もう少し話すればよかった。

  ここから次のPCまでは一気に下り。気温も思っていたほど寒くない。
ウインドブレーカーを着るには肩にかけたカメラを外して反射ベストを脱ぎ、ウインドブレーカー着た上から反射ベストを着なおさねばならず、走りながらは難しいので半袖のまま下った。後でレギュレーションを確認したら、PBPがそうであるようにSR600では夜や薄暗いとこと以外では反射ベスト着用は義務付けられていなかったのかも。


□PC4道の駅北信州やまのうち(234.9km) 5/25 14:13
  標高差1600mのダウンヒル。あれだけ時間がかかった峠が一瞬にして終わる。
通過時間を呟き、立川さんのtweetを見る。数分前に「まだ渋峠につかない」との呟き。あれ?どこで追い抜いたんだろう。

  草津曲がり角のコンビニはでここに居るかもしれないと確認したはず。どうやらツイートを確認したところ、草津手前のコンビニに私が出た後に到着したようだ。ってことはウィダー全滅の犯人は立川さんではなかったのか。まあ立川さんは私みたいにゼリー5つ流し込むなんてやりそうに無く、もっと優雅な食生活を送ってるだろうから犯人?だとは思ってなかったけどね。

  5分ほど休憩し、一通り皆の応援等を見て元気を貰った後に出発。ここから須坂市までは細い町中の道。但し信号は多く無い。
  問題なのは暑さ。とにかく暑い。埼玉ブルベで何度か通ったことがあり、毎回暑さは感じていたが今回は5月末ということもあってそこまででは無いと楽観視していた。
  道路にあった温度計は28℃。直射日光のあたるハンドルにつけたiBikeの温度は37℃になっていた。この程度の温度なら夏にはよくあることだが、ムっとした熱気がもう堪らない。ここまでの疲労によるダメージも気だるさにより拍車をかけているのかもしれない。

  渋峠で復活した胃の調子はまた悪くなり、吐き気を感じながら菅平ヒルクライム。こんなダラダラ登ってもたいした練習にならないし、ここで1泊して涼しい朝に登ったほうが良いのではと思う。


□PC5菅平高原(269.8km) 5/25 16:22
  草津手前で買った補給食はまだ残っている。がやはり固形物は食べられそうにない。今回上田が宿泊ポイントだから良かったものの、このまま走り続けるのは胃のダメージで厳しかった。後は下ればゆっくり休憩できる。

  菅平の南斜面は荒れた舗装区間が多い。今回はスキー場の栄えている所、下り始めてすぐの箇所で工事を行っていて舗装自体は綺麗になっている中、何故かマンホールが5~10cmの高さで飛び出している。もちろん鋭角なエッジではなくて滑らかに盛り上がってはいるのだが、道路上にこのマンホールが不規則に点在しているため夜間走るにはかなり怖いだろうなと感じた。この時刻ならまだ明るくて問題無し。気温も高く、結局この日は1度もウインドブレーカーを羽織ることが無かった。


□ホテル到着(292.3km) 5/25 17:06
  中間地点だと思っていたホテルは292km。これだと20分は早く着ける計算で、半分までなら13時間半といったところか。
予定通りの到着時刻、可も無く不可も無く。

  30分ほどベッド上で横になると胃の調子も回復してきた。併設銭湯で汗を流し、水風呂で脚をアイシング。


  今回GPSにはエネループで無くて普通のアルカリ電池を入れてきた。電池サイズが少し小さい為、下りの段差のたびに電源が切れて入れなおさなくてはいけない羽目に。接点部分にティッシュを詰め込んでずれないようにしてと。

  風呂の食堂で食事しようかなと思うも、Edyが使えないためにコンビニに買出しに行って寂しく食事。地元のワインはライトボディーだったのでビールを。発泡酒じゃなくて豪勢にビールだ(ビールは1本のみで4本は発泡酒)。
  皆のツイートに対して返事をしようと思っていたが、食事をしてビールを飲んでるうちに眠りについてしまった。


  GPSの電源は段差で10回以上切れた。
その後再起動するまでが直線で結ばれるため、ログは実際の距離よりちょっと短くなっている。


■5/25
走行距離: 323km
累積標高: 5980m

2013/05/29

SR600って何?

  2013福岡タンデム日記の途中ですが、SR600の話です。
5/25,26とオダックス埼玉が主催するSR600Fujiを走ってきました。恥ずかしながら落車で470km地点でリタイアとなってしまいましたが、それまで走って感じたこと、通常のBRMとの違いを挙げたいと思います。

■SR600とは
  まずSR600とは何かというと通常のBRMと同じくACPが認定するブルベであり、BRMと異なるのは
1)Permanentsである
2)累積標高が10000mを越える600km
という点です。

  パーマネントというのは日本ブルベ界では馴染みがありまでん。主催者がコースを設定し参加者は好きに出走日時を決めてそのコースを走るというものです。
  通常のパーマネントであれば各PCにはクローズタイムが設けられる可能性があるのですが、SR600に関してはPCのクローズタイムは無いようです。
SR600に関する説明はオダックス埼玉のhttp://audax-saitama.org/SR600/SR600.htmlがわかりやすいかと思います。

  通常の山岳をそこそこ含んだブルベ(BRM)では累積標高/走行距離が1%程度になることが多く、それらと比べると600kmで10000mというのはかなりハードなコースに感じられますが、制限時間は50時間、更に累積標高が10000mを超えて500m増える毎に1時間加算と通常のBRMよりもかなり緩くなっています。


■走ってみて感じた通常のBRMとの違い
  まず大きいのはPCにクローズタイムが設定されていない点です。更にスタート時刻を自分の好きな時刻に設定できます。これがどういうことかというと
・通常のBRMでは次のPCに間に合うように走るのが目標
に対して
・最終ゴールに間に合うように走る長いスパンでのタイムマネジメント
が必要になってきます。疲労を考えてどこで宿をとる(あるいは仮眠する)かという問題も、走力が安定しているほど融通が利くようになります。

  例えばBRM600では20km/hで走れる人なら全体での貯金は10時間。しかし300km地点で仮眠しようとすると次のPCに間に合うように走るには5時間しか余裕がありません。PCにクローズが無いというのは10時間フルに使える(トラブルによる多少の余裕は必要だが)ことになり、これが非常に大きいのです。
  この仮眠ポイントを最大限に生かす為や、途中の2000m峠の通過時刻を考えたスタート時刻の設定も大事になってきます。


■SR600が無理なく走れるレベル
  累積標高の増加による通常BRMとの所要時間差は、登りの能力もあってなんとなくですが
・BRM300を13時間 -> SR600(Fuji)の300km地点まで15時間
・BRM300を16時間 -> SR600(Fuji)の300km地点まで20時間
くらい見ておけばいいかと。このあたりで走れる人あれば十分な睡眠時間を獲得できる為、BRMより時間的には無理をせずに走れると思います。
  宇都宮の山岳200km(渋峠ゴールで累積標高5000m)を完走できる人であれば相当な余裕を持って完走できます。

・速く走れる場合は自分に有利なように時間を使えてより速く、遅い場合はより遅く
これがBRMよりも更に顕著になります。
  例えば先週SR600Fujiを完走した大塚さんは途中で2泊しています。私は殆どの区間は明るいうちにしか走らない予定でしたので、夜間の速度低下を考える必要ないスケジュールを組みました。

  BRM600をギリギリで完走という状態ですと、多少の睡眠時間確保ができたところで走行時間もかなり増えるわけで厳しい戦いになるのではないでしょうか。


■キツさ
  結局のところハードかどうかなんてのはコースに関わらずどれだけ本気で走ったか、ということだけで…
なんて言いたいところでしたが、2日目の麦草を登ってる最中に初日の筋肉へのダメージをかなり感じ「やっぱりこのコースはハードだなあ」と思いました。
  今回のインナーローはいつものように34x27。ある程度の速度で走るのが目標であってこれでギリギリ。ゆっくり筋肉へ負担をかけないように走るのであれば、もっと軽いギアが必要だと考えています。とにかく時間はあるので、いかにダメージを残さず走るかが重要です。

  一番の問題は天候かな。気温差には要注意だし、雨だと極端に難易度が上昇すると思います。


■平均速度が落ちる要因
  私には累積標高よりも斜度のほうが重要な要素となります。

  例えば平均斜度が4%程度だったら登りで20km/h弱、下りで35km/hと平均25km/h維持はギリギリ可能でも斜度がキツくなって登りの速度が12km/hを下回ったら(下りも同じ距離だとすると)下りを光速で走ろうが24km/h以上にはなりません。
  もちろん同じ累積標高だとすると峠の斜度が急ということは同じ距離ではその他平地部分が増えるってことですが、平地は信号も増えるし、速度が増すと空気抵抗も大きくなるしで、失った時間を取り戻すのは難しいのです。

  所要時間は累積標高だけではなくて、平均斜度が○○%だからこのくらいかかる。で計算するのがよさげです。


■写真でのPC通過証明
  inainaさんがmixi日記に書いているように、夜間走行が含まれる場合PC通過の証明写真が厄介な可能性があります。これは話を聞くまで盲点でした。

  写真は自転車(に取り付けたフレームバッジ)と背景を同時に写さなくてはいけません。夜間で暗い場合、フラッシュ程度の光は遠くの背景まで十分に行き渡りません。さらに再帰反射の標識が指定の背景だった場合は、撮影位置から離した箇所にライトを置いて標識を照らす、等の工夫が必要になります。


■SR600Fujiのコース
  リタイアしたPC11まで、コースのキツさや気になった点など

○スタート~PC1
  市街地というほどではないものの序盤はそこそこ信号があります。スタート直後で入れ込んでいて全力で漕ぐ->信号ストップを繰り返してしまいましたが無駄足だったなあと反省。こういった区間では頑張っても頑張らなくても所要時間はたいしてかわらないため、青梅市街を抜ける21km地点まではアップのつもりでいいかも。
  そこから山伏峠までは信号も無く車も少ないという走りやすい道が続きます。コンビニは無くなりますが、途中数箇所の公衆トイレと湧き水での給水ポイントがあります。山伏峠は斜度はそこそこあるものの距離が短いため、時間の遅れはそう気にならないはず。

○PC1~PC2
  山伏下って299に出てからは一気に時間を稼げる高速下り区間です。但し大型も結構走ってるうえに中央にポールがあるため、適当な位置で大型をパスさせるかトラックより速い速度で下るかの選択を迫られます。トラックもかなり飛ばしているため、私は後者は無理でした。
  秩父市街もそう信号は多くなく快適な道が続きます。が、79km地点杉ノ峠?あたりの県道13号は道幅が狭いのにダンプカーがやたら多くて、下りでかなりつまっていました。

○PC2~PC3
  碓氷峠は平均斜度もキツくなく、道幅が狭くて木が生い茂ってることから直射日光も多少は避けられると思います。多くの車はバイパスを走るためか車も殆ど通りません。
  問題は軽井沢からのロマンチック街道。斜度がそこそこキツくなり、また斜面が南側で(さらに私が走った時は丁度ここで日差しが強くなった)標高のワリに暑いです。コンビニも軽井沢を過ぎると殆ど無くなるため、早めの補給が重要となってきます。快適な下りの後、群馬大津からの登りも急斜面。草津に着くまでにかなり体力を消耗しました。草津からの白根山ヒルクライムのほうが斜度が緩くなるぶん楽でした。
  渋峠は天気予報は良くても降りだすことを何度か経験してます。山の天気には注意を。

○PC3~PC4
  下るだけ。

○PC4~PC5
  暑いです。この区間はとにかく暑いです。埼玉ブルベでは定番のコースでいつもいつも暑いのは感じてましたが、まだ5月末でも相当ヘバりました。
  気温は28℃で、ハンドルにつけた温度計は37℃。しかし気温だけでは説明できないようなムワっとした熱気が漂ってきます。走りながらここで1泊してもいいかもなと思っていました。(ただこの辺りは安いビジネスホテルは少ない)
  菅平も上まで登りきってしまえば多少涼しくなるものの、途中までの登坂は暑いです。

○PC5~PC6
  下るだけ。ではなくて、舗装状態があまり良くありません。
菅平の南斜面は常にガリガリに荒れた舗装が多く、中でも今回は繁華街部分で工事を行っており何故かマンホールだけ5cmくらい舗装から飛び出ているという状態になっていました。

○PC6~PC7
  かなりの斜度のヒルクライム。ここでカモシカと遭遇。山間部は動物に注意ですね。

○PC7~PC8
  長めのアップダウンが続きます。この区間は想定していたよりもかなり時間がかかりました。
当然コンビニ等もありません。軽く食べれる箇所はちょくちょくあるので昼だったらそういう場所で食べるか、上田で補給食を買っておくかしないと麦草まで持ちません。
  景色が良く寄り道ポイントも多々あるため、時間に余裕があるのならば観光も楽しいかも。

○PC8~PC9
  麦草峠は斜度の変化もあまり無く、そう登り難い峠ではありません。2000m超なため山頂付近は気温が下がります。
  PC6の上田からここ麦草までの累積標高は3300m、おそらく本コースで最も時間がかかる100kmになるはず。ここを越えてしまえばあとは普通の200kmブルベを残すのみ。

○PC9~PC10
  峠を下って141号に出る直前にヤマザキストアが1件。これが久しぶりのコンビニ。この後は野辺山を越えるまで無し。
野辺山の登りは緩やかなため、ここまで走ってきた人ならば何の問題も無いでしょう。

○PC10~PC11
  一気に下り。
韮崎付近の歩道はグレーチングが一段高くなってるため、雨天時に斜めに進入して転ばないように!


  ここから先も走ったことはある道なのですが今回はここでリタイアなのでここまで。再チャレンジしたら付け加えるかも。

2013/05/24

2013タンデム福岡_10: こちらがメインの大宴会

○4/27夕~28朝

  ゴールの諫早に着きチェックを受けた後、スタッフの横山さんにコンビニの場所を聞きます。
夕方から宴会なのですが、まだそれまで時間あるから部屋で飲んでよう作戦で。

  駅前にスーパーがある情報で出かけるも、鈴木家の食費支給であるEdyではなく残り少ないキャッシュを使うのはヤだなあとコンビニクエスト。適当にさすらって見つけた後、ビールと体に悪そうなジャンクフードを買ってホテルに戻り部屋で飲みながらウトウト。
  コインランドリーはホテル内には無くて面倒だったので洗濯はせず。昨日洗濯出来たお陰でもう一着あるからいいか。

  時間が来て皆ロビーに集合し駅の向こうまで歩いて移動。1,2km?歩きの時って距離感わかんないね。
直前になんとか予約できた店で時間は1時間半しかないので急いで食べましょーってことで、


  かんぱーい。

  ブルベって走ってゴールしてそれで終わりですよね。今回の福岡HeavenWeekは毎日宴会があるというところに惹かれたのです。
はっきり言ってブルベはどうでもいいです。メインはこの宴会…
楽しいメインのブルベの次に楽しみなのが、この宴会でしょう。

  一通り自己紹介など行って、あとはバクバク。
から揚げやチャーハンなどワリとボリュームがあるものが出されるのですが、あっという間に無くなります。このオッサン連中はオッサンの皮を被った何かです。

  飲み物は飲み放題じゃないけど好きなもの注文して、予算的にはみ出たらストップがかかるというシステム。でもビールや焼酎など結構飲めました。
1時間半じゃ当然足りないので、この後は数人で2次会へ。

  以前関東に住んでいて、今はこちらにいるチームみのりの伊藤さんに案内してもらいます。
「zucchaさんは何故か福岡ではみのりがホストしてくれると思っている」と不満を漏らしながらも去年と同じように酔っ払いを引き連れて店を探してくれました。

  駅前の店を数件まわるも全部満席。仕方がないので電話をかけて向かったところは、


  なんか雰囲気似てますね。
そうです、さっきと同じ店です。しかもご丁寧に席まで同じ(人数が少ない為パーティションはかわってるけど)でした。


  2次会とは思えない勢いでバクバク食べます。あと飲みます。


  そして〆はラーメンです。うえっぷ。
佐藤さんは、これだけ食べて飲んで2500円(だっけ?)なんてオカシイ、安すぎる。と店が安いことに不満を漏らしていました。
なんなら私が余計に受け取っておけばよかったです。

  ホテルに戻って22時。まだ早いけどもうこれでお開きかー。
埼玉忘年会のように0時過ぎまで騒いでるかと思ったんだけど、先は長いからそれは無いのかな。
まあスタートまで時間空けないと酔っ払い運転になってしまいますから、この辺で丁度いいのかも。


  朝ごはん。この盛りは他の人の超級山岳と比べたらチッポケな丘です。オカワリも1回しかしてません。
皆があまりにバクバク食べるものだから、ママさんから「もうご飯おかわりヤメテー」とおかわり禁止令が出ます。その後ご飯は自分でよそうシステムではなくて手渡される方式に変わりました。
でも結局最後のほうはご飯無くなっちゃったんだっけ?それとも最後まであったのかしら。

  とにかく皆さんよく食べますね。まあ食べないと走れませんからね。



2013/05/23

2013タンデム福岡_09: BRM426嘉麻300km 眠くて天国行きは嫌です

○4/26夜~27
  ジョイフル終了後はコンビニで眠気覚ましのガム購入。
今回ここに来るまではよくメガシャキのガムを噛んでいた。中にソース状の物が入ってて眠気系にしてはなかなか美味いし、なにより1パッケージで5粒と1粒が大きいのがいい(でもこれだけで100kcalあるんだ)。残念ながら売っておらず。
  スタート地点に戻ると既に多くの人が集まり、準備を始めていた。皆タンデムを見て「何故タンデム?」と不思議そうな顔をしている。運動場内を何人かと乗って遊ぶ。


  暗くなり始める中ブリーフィング開始。しっかり寝たはずなのになんだか眠い。
岩本さんが「zuccha眠いの?まあ一緒にゆっくり行こうや」と声かけてくれるが、とにかく速度に余裕がないため序盤は無理してでも稼ぐ作戦で。
  時間が来ていよいよ福岡HeavenWeek初日の嘉麻300kmがスタート。スタートは比較的前のほうだったと思う。先頭あたりでinainaさんがガンガン飛ばしている。あいかわらず元気なオッサンだ。夜間スタートのブルベ、規模は全く違えどPBPの時のようにテールライトのランタンルージュが続くのが楽しい。
  コース上には帰宅途中の高校生が多くおり、40台ほどの自転車がライトや尾灯を点けて走る光景に驚き、声を上げている。

  「トライアスロン?」や「すげえ」の声の中、私が通過するときだけ「ながっ!」「ながっ!」と謎の雄叫び。
な、長いってなによ。ここまでや前回の淡路の時は「すげー」や「カッコいい」、「ドロンジョの乗ってるヤツみたい」なんて声は聞こえてきたけど長いは無かったぞ。これはもしかして九州人の感性なのか?

  参加者の方と話しながら先頭のinainaさんが見えるくらいの位置で最初の登りにさしかかろうという所、フロントをインナーに落としたときにチェーンリングの内側にまで落ちてしまった。慌ててアウターに入れるが絡まってしまって戻らない。停車してチェック。
  タンデムってこういう時面倒なのよね。STIを触りながらフロントやリアのディレイラーを見れない。チェーンはヘンな風に絡まってしまっていて、手でかけなおさねばどうにもならないようだ。ヘッドライトで照らしながら作業するも、フレームとスパイダーアームとの間のクリアランスが全然無くてなかなか上手くいかない。よくこんなトコ落ち込んだなあ。
  皆「大丈夫ですかー」と声をかけて通過してくれる。「大丈夫です」。そのうちに一人の参加者の方が止まって自転車のライトで照らしてくれた。真っ暗闇の山道、ヘッドライトだけでは照度不足だったため非常に助かる。すぐに直って再出発。

  ここからは登りが本格的に始まる。登りといっても5kmで250mほど登る程度。
ただコースの予習をしていないためどのくらい続くのか全くわからない。こんな所に大きな山は無いはずだからそのうち終わるはずと全力で漕いだ。
  何人かのテールライトが見えるとそれを目標に漕ぎ、追い抜いたら次のテールライト。やっぱり夜でも登りのほうが飽きなくていい。次の前集団との差がなかなか縮まらなくなってきたあたり(前のほうは速いからね)で丁度ピーク。タンデムの下りはロードと感覚が違って怖いので集団から少し離れて下る。ダメだ、登りは集中できてたけど下りになったらもう眠くなってきた。

  時刻はまだ22時、スタートから2時間しか経っていない。今日は昼寝してたし、例え昼寝が無かったとしても眠くなるには早すぎる時刻だ。2011年PBPの記憶が蘇ってきた。あの時もスタート直後に眠くなったっけ。同じくスタート前までドイツからぐるっと走ってきて、前日寝れば大丈夫なんて考えてたけど丁度疲れが出て来る頃なのかもしれない。
  とにかく眠い中走るのは危ないのでやりたくない、ヘブンウィークだのヘルウィークだの名前通りにアッチに行ってしまっては洒落にならない。ただ睡眠時間はそれなりにとれてるはずだし、数分仮眠したら復活するはずなので仮眠ポイントを探す。


  丁度良く屋根つきバス停があった。
夜間はもう使われていないので行儀は悪いが中のベンチで少し寝させてもらう。しかし初日の、スタート2時間で仮眠とはこの先大丈夫なのだろうか。

  15分ほど寝ると頭はスッキリ回復した。これで殆ど最後尾あたりになったのか周りに自転車の姿は見えない。この後は標高差200mほどの一山を越え、PC1へ向けて一人進む。


  暗闇の中、畑の一部が燦々と輝いている。なんだろうこれ。
全域が、というわけでわなくて飛び飛びに1区画ごと。奥のほうに見える光もこれ。後で聞くと冷害対策用のライトだとか。


  PC1到着は23時42分。皆眠そうだ。
今日はGW前の金曜日。私のように一日寝てた人は稀で、仕事終わってや長距離移動でそのまま参加な人が多いのだろう。寝てた私が眠いんだから他の人なんてもっと眠いに決まっている。
  スタッフの横山さんが既に先回りしており、参加者の状況を聞くと20時スタートの人もまだ後ろに何人か居るらしい。既に最後尾かと思ってただけに一安心。まあ15分程度の仮眠じゃまだまだ大丈夫か。

  パパっと補給を済ませて出発。海岸線へ出て、自転車初走行の県、佐賀へ。
「虹の松原」との看板がある。松原の中を抜けていく気持ちのいい道なのだろうが、今は夜中で松も海岸もロクに見えない。ライトで照らし出される「松の枝注意」の看板にビビるくらい。これだからブルベはなあ…別に夜寝て昼間走ればもっといろいろ見れるのに。

  タラタラと走っていると後ろから声が聞こえてきた。「後ろの人どうしたんです?」
暗闇で顔はよく確認できなかったが間違いなく21時スタートの落合さんだろう。「まだ家に居ます」
  二言三言話した後、彼は凄い勢いで先に行ってしまう。果たして自分がロードに乗っていてあの速度で走れるのだろうか?

  松原区間が終わって市街地に入った辺り、道の横にブルベ応援紙?を持った人が。「あれスタッフですか?」と尋ねると「いえ応援です」だって。こんな夜中に応援だなんて、ありがとう。

  東松浦半島の海岸線アップダウンでまた後ろから声。「タンデムに一人って変ですよ」小径車にエアロヘルムという出で立ちは永島さん?それもずいぶん変だと思うけど。
  登り区間であっという間に追い抜いていかれた後、小径って凄い不利に見えても空力的には悪くなさそうだな。でも軽くは無いだろうし、なによりタイヤが長距離持つのかなあ。転がり抵抗は、径が小さくなったら大きくなるはず。トップグレードのタイヤも無いと思うし、温度が多少上がって減ったところで700Cより悪いだろうな。なんて小径はどのくらい速いのかを考えながら走る。ヒマなので。

  ほどなくPC2へ。ここにもまたまたスタッフ横山さん。
おそらく今回のヘブンウィークで最も会ったのは彼だと思う。参加者からは「いつ寝てるんだろう」と疑問の声も上がるくらい各PCで参加者の通過をチェックし、応援してくれている。一人でスタッフってだけでも走るよりずっと大変そうなのに、あまりに精力的で頭が下がる。
  前回のPCはささっと通過してここまでまともに補給もしていなかったため、このPCでは30分くらいダラダラと飯を食う。パスタを食べ、コーヒーを飲み、さて出発するぞと走り出して30分も経たないうちに、ダメだ、もう眠い…

  道端で自転車に跨ったままハンドルに顔を埋めて軽く寝た。ロードなら慣れたものでもタンデムは重くて、眠った瞬間に車重を支えきれなくなり倒れたペダルが脚にヒットする。全くタンデムってヤツは。
  それでもまあウトウトしていると「おーzucchaなにしてんの」と聞きなれた声。岩本さんだ。片山さん、佐藤さんの姿も見える。「寝てましたー」と答えて急いで出発。心強い集団走行。これで一気に目も覚めた。

  ブルベは一人で走ることが多い。本気で走る時はもちろん一人だし、ゆっくりの時は写真撮りながらで停車も多く、下りも激遅なので皆とペースが合わない。スタートやPCで多くのロングライド好きな自転車乗りと会えるので参加すること自体は楽しいんだが、何故参加者の多くはブルベがメインで一人でロング走らないんだろうかと疑問を感じていた。
  こうやって4人で、平地は岩本さん、登りは片山さんや佐藤さんに殆ど前を引いてもらいながら走ってわかったよ。皆で走ると凄い楽だ。一人ではつまらない距離でもあっという間に走れる感じがする。今回のヘブンウィークはこの日だけでなくて人に引いて貰うことが多く、周りの人が本当にありがたく感じた。

  途中トイレに行きたくなってコンビニで離脱しようとすると、皆も停車した。やはり皆、特に岩本さんが眠そうだ。いつも豪快でタフなので、この人は眠くならない人だと思ってた。コーヒーを飲んで再出発後、前を走っている岩本さんが急に失速する。なにか新しい遊びでも始めたのかと思ったら単純に眠いらしい。


  空は少し明るくなってきた。あと少しで夜が明け、明るくなれば眠気も治まる。しかしもう限界なため仮眠場所を探す。この先松浦にジョイフルがあるそうだがその手前、公衆トイレの脇のベンチで仮眠。2つのベンチで4人が交互に軽く寝て、復活。


  いい感じに夜も明けてきた。ただ30分弱の休憩ではこの先走り続けることは難しいだろうということで、松浦のジョイフルに寄る。時刻は6時、ここから30km先のPC3クローズは9時半。時間はまだ十分にある。


  ※この写真内には3人のブルベライダーが隠れています。


  小心者なのでこういう所ではどうにも寝られない。豚汁を注文。
7時過ぎ、1時間ほど休憩して出発。外は完全に明るくなっており、皆も元気になった。


  平戸大橋。去年はこの橋を渡ったらしい。


  明け方には5℃まで下がった気温も急激に上がり、半袖に。
しかし日向では暖かさを感じるものの空気はヒンヤリとしていて木陰は寒い。服を脱いだら寒くなってきた。出力を上げて暖かくなるしかない。
  ここから先はアップダウンが続く道。登りのピークには面白そうな教会があったが気分が良くてすっかり走るモードになっていてスルー。皆と離れて一人で次のPCへ向かう。
  PC3ではコンビニの陰に隠れて片山さんが完全に寝に入った。気がついたらタイムアウトなんてことにならないだろうかと少し心配するも「あの人はどこでも寝れる人だから大丈夫」と岩本さん。先にスタートした岩本さんを見送ってダラダラしていると目の前を素通りする参加者。もしかしてPCに気づいてない?と佐藤さんと慌てて彼を追う。私は遅くて全然追いつかない中、佐藤さんが猛ダッシュで呼び止め成功。やはり彼はPCを見落としていたようで引き返していく。

  この後も道はアップダウンが続く。走るのが楽しくなってきてたので全開で一人先へ。佐世保の市街に入ると交通量が増え、走りづらくなってきた。港に止まっていた船も、ハウステンボスの写真も撮らず、ただひたすら次のPCへ。

  最終PC到着で貯金は2時間。残り42kmを4時間40分で走ればいい。こうなるともう完全にやる気は無くなり、この区間だけでコンビニ休憩3回。いや、やる気が無いというかお腹を壊してたんだっけ。途中コンビニに停車する際、ロードの感覚で脚をサドル後方からまわして降りようとすると脚が後ろのブルホーンハンドルの先端に突き刺さった。全く、夜中の脛といいタンデムだと脚に生傷が絶えない。

  最後はみのりの中島さんと一緒になり、14時30分過ぎにゴール。クローズより1時間半ほど前だったが、余裕を持ってという感じは全く無かった。明日からの日程もなかなか大変そうだ。


  ※上記ログ&下の走行距離はスタートまでの移動とゴール後のビール買出しを含む。

■4/27, 嘉麻-諫早
走行距離 310km
累積標高 3572m

■ここまでの累積: 距離 1584km, 標高 13100m



2013/05/22

2013タンデム福岡_08: 男たちの休息日

○4/25夜~4/26夜

  同じく岩本さん宅にお世話になるinainaさんは近くの銭湯に行っているようです。HeavenWeek最終日に戻ってきた際に入れるかどうかの下見かしら。
帰ってくるまでの間、靴を犬に咥えられないように隠した後はシャワーを浴びて。


  岩本さんが夕食の支度を始めていました。シカ刺しです。
食えるものなら何でも嬉しいのにこんな物を頂けるなんて、ここまでの疲れも吹き飛びますね。


  inainaさんが戻ってきて股間をペロペロしてくる犬を上手くあやしています。
吠えないし、懐っこいしで、犬も可愛いですな。


  カンパーイと。
今回はここまで禁酒してきただけあってアルコールうめえ。


  そしてメインはモツ鍋です。
inainaさんがzuccha食うから5人前ねと事前に言ってくれてたこともあり、大量のモツです。


  うどん投入。inainaさんのお土産の日本酒を。
一応私もなにか持ってこなきゃと浜松のコンビニでウナギボーンを買って持ち運んできたのですが、これはお犬様が好んで食べられておりました。

  AJタンデム作るとか、AJでパーマネントコース用意するだとか、そんな話をしながら夜も更けていきます。この後ご飯が山のように出てきたような記憶が。朝から仕事なのに騒いじゃっててすみません、奥さま。

  翌日。これだけ食べたので朝はもう食べられません。ジャージを洗濯してもらった後は


  ラーメンを食べに行きました。九州ラーメンは好物です。
んで戻ってきてまたお昼寝。といっても招く側の岩本さんはずっと起きてたようです。休息日だったのは2人だけかも。


  また咥えてます。
この後洗濯の終わったinainaさんのパンツを咥えてシバかれてました。
犬的には「捕ったどー」と得意げに持ってったのに、何故かシバかれて寂しげでした。

  岩本さんは「そういう習性の犬だから仕方ない」と言っていたけど半日観察した限りではこの犬はアレですね、股間に突進してくるのといいパンツといい、臭い物が好物ですね。

  あとはここまで1000km超ノーメンテだった自転車の整備をしてと。


  外の壁に立てかけたタンデムがなんだか絵になってる気がします。


  もう一枚。


  ブルベ開催時刻も近づいてきて、AJ広島や岡山の各代表さんサポートの横山さんらが登場。スタート地点まではたった2.5km、自転車で向かいます。

  出発前にジョイフル(九州のファミレス)に行って390円ステーキを食べました。
ジョイフルにはBRM参加者と思われるジャージ姿の人が沢山。さて、しっかり休養した(はずなのにもう眠い)ところで、いよいよ最初のメインイベント福岡HeavenWeekの始まりです。