何の取材だったのかはよくわからん
新人賞狙えるかも、そんな期待は1日経たないうちに妄想だったと知る。問題なのは首だ。
シャーマーズネックは痛みもなく首が全く保てなくなると聞いていた。私はまだそこまで進行していないのか、向きを変えようと思えばなんとか動かせるかわりに常に強い痛みが続いている。
痛みの中走るのは慣れている、が、これは「プランクをやり続けて腹筋がプルプルする」感じに近くて、どうにも耐えるのがキツい。
※「プランクを続ける」とも少し痛み?の感覚が違って「精子を出し続けてもうこれ以上出ないのに無理やり絞り出される感」という表現をしたことがあったがあまりに伝わらないのでヤメた。そんな経験はしたことがないので妄想したうえでの想像だ。
ホテルで横になって休んだ後、少しは戻った痛みも長くは続かず。その後ヘルメットの後ろと腰をタイヤチューブで繋ぎ、顔が上へ引っ張られるようにした。2011年のPBP(Paris-Brest-Paris:1200km走るブルベ)で当時のAJ会長の首に使った方法である。
首の固定法としてはワリと定番
これは下りや登りでのポジションの変化に合わせて多少頭を上下させることができる利点があったが、動かせるという状態=痛みが強くでる、で、U字枕を首に巻いて完全固定する方法に切り替えた。
もう少し強力な固定法無いかな
お、こっちの方が痛み無くていいんじゃない?
それになんか近未来的でめちゃくちゃカッコイイじゃん!ラフォージ中尉
※ピンクのジャージなど、私の衣装センスに関しては疑問視する声も少なくは無い。
前回のBlogでも書いたように、シャーマーズネックになった際の対策を考えてはいた。
が、これまで数千kmのサイクリングをしても首に不安も感じることが無かった自分には無縁のものだと、その可能性は低いと思っていた。
恐らく今回発生した理由は
・カンザスでの強い横風でハンドルを腕で固定することが多く、肩から首の筋肉が疲労した
・路面が悪い箇所の存在、特に路側帯には脱輪防止の為か大きな凹凸がつけられている箇所が多く、夜中にこの凹凸で何度かダメージを受けた
・横になって寝る時間が極端に少ないため回復が間に合っていない
こんな所ではないだろうか。
特に3番目、例えば走行時間が1日18時間から20時間に増えるのは「なんだ2時間、1割ほど増えるだけか」と考える人がいるだろうがそう簡単なものではない。
走行時間が2時間増えるのは、休憩時間が2時間減る、この場合「6時間から4時間に33%減る」ことになる。信号待ちやトイレ休憩などの避けられない立位での停車時間を2時間とすると、横になっての休憩は「(6-2=)4時間から(4-2=)2時間と半分」にまで減る。これで回復が追い付かなかったのかな、なんて考えている。
首が動かない、といっても個々の症状は意外と異なっていて一概に言えないが、私の場合は
・肩コリのような物凄い重さが肩から首にかけて発生
・痛みが発生
・頭の保持が困難になる
と、肩との関連が高かった。最終的には痛みも感じなくなる人が多いようだが、最後まで痛みを感じていた。
予防に関してはRAAMを4回完走している櫻井さんと話したところ、彼も私と同様「首の速筋を鍛えるのはシャーマーズネックの防止には役立たないのではないか?」と考えているようだ。(あくまで2人の経験からの想像であり良くわかっていない)
さてこのシャーマーズネック、想定してたよりずっと問題だったのはポジションによる走行速度の低下だ。
上体が起きたポジションでしか走れない
上を向いた状態で固定すると強い痛みが発生する私の状況では、このポジションで走るのが限界だった。
登りはまだいいが下りがツラい
しばらくこのU字エア枕固定で走るも、首回りの暑さと、給水のしづらさが耐えられなくなってきた。
ボトルをダウンチューブのケージから取り出して頭の向きを変えるのは困難なため、既にハンドル横に括ったツール缶に飲み口が長いソフトフラスクを入れ、これで給水するよう変更している。しかし首が固定されてしまうとこの方法でもかなり苦しい。
後方確認もツラいが、こちらは後ろをガードしてくれているフォローカーからの無線がもうひとつの目となる。
固定角度を何度か変更し試すもうまくいかず、若干向きを変えるのが可能なチューブで吊る方法に戻した。
プリングルスの筒をステム上に固定して顎を支える法は私のポジション(顎の位置そこまで前に出すと低くなるし、上下に動かしたいし)の関係で断念。
あと汗で首回りがつらい
ラテックスじゃなくもう少し伸びない、紐でも良かったかもしれない
ここミズーリ州、道路の脇では小型動物の死骸が多くみられ、近づくと臭う。これまでもよく見られたコヨーテに加わり、このあたりからはアルマジロの死骸が増えだした。ヤツらの姿は頭の中にあるイメージよりずっと大きくて、踏んづけたら吹っ飛びそう。
なぜこんなに死骸があるのかの謎は夜になって判明。暗闇の中、カメのようにゆっくりとした足取りで幹線道路を横断しようとしてるのだ。「速く走しれもしないのに横断しようなんて無茶しやがって」なんて悪態をついたら自分の事のように思えてきて可愛くなった。
2回目に車の前に飛び出して?きたときは停車して拉致しようなんてクルーから声があがるもスルーして先へ。一緒に写真でも撮っておけばよかったかな。
とにかくこの多数のアルマジロ死骸を見て思い出したのが、スペシャライズドの耐パンク性能が高いタイヤシリーズ、「アルマジロ」。今回予想以上のパンク回数に途中で追加購入したタイヤもこれ。いや車に撥ねられまくったらダメなんじゃないの?!
縦断ニュースDay8:真っ直ぐ走れてないね…良くない
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