2018/06/08

RAAM通信vol.6:お礼

RAAAM、出場チームの予算は平均6万ドルくらいなようです。
ソロ出場は日本人2人目と書きましたが、それだけ凄い事なんじゃなくて、お金、休み、人員確保の点でハードルが高いだけなのです。

スズキケではDINKsでの貯蓄を全突っ込みでの出場です。妻すまん。
またクルーには現地までの移動費は自費で負担して頂いています。本当にありがとうございます。

その他、ジャージ販売時に資金援助を呼びかけ、多くの人から寄付して頂きました。
無事帰国しましたら、なんらかのお礼をしたいと思っています。


山田 浩司さん
乾 和佳葉さん
高橋 幸雄さん
久保田 智也さん
牛 孟洋さん
田中 強さん
橘 浩則さん
小宮山 純平さん
原田 洋人さん
白木 緑さん
松山 弘世さん
川合家
村上 紀之さん
河村 拓己さん
矢萩 智晴さん
コバヤシ シゲルさん
塩野 智彦さん
矢田 博之さん
木原 寿さん
川野 晋一郎さん
山田 裕計さん
櫻井 梨恵さん
河合 英直さん
田中 真平さん
佐藤 貴さん
斉藤 啓志さん
杉本 真一さん
関根 啓由さん
中村 正茂さん
髙橋 宏通さん
平松 章治さん
伊藤 義康さん
小川 宣弘さん
柳沢 宏和さん
木本 貴美子さん
番場 千絵さん
横山 浩司さん
田代 雅美さん
志村 光一さん
近藤 新一郎さん
竹村 直紀さん
陳内 鉄生さん
佐久間 美穂さん
佐藤 聡教さん
菅田 大助さん
平林 幸典さん
木宮 晴代さん
内田 仁さん
馬 拉妹さんと台湾の仲間たち
くぼた歯科医院さん
ブルベ不動産さん
AJ福岡忘年会一同

(順不同・クルー除く)

ありがとうございました。

2018/06/07

RAAM通信vol.5:レースの追いかけ方

スタート時刻は現地時間(PDT)6月12日12時(日本時間13日4時)ですが、ゴールとは時差(EDT)が3時間あります。
RAAMでレース中使われるタイムゾーンはゴール地点の時刻、EDTとなります。リザルト表に載る通過時刻もこれ、レースタイムではスタート時刻は6月12日15時ということですね。

■公式リザルト表

http://www.raceacrossamerica.org/results.html
過去の記録も検索できます。今年のソロは女性3名、男性30名。
名前やTS#数字のリンク先で、各タイムステーションの通過時間、ペナルティの有無などが表示されます。


■Live Tracking

http://www.raceacrossamerica.org/live-tracking.html

MAIN MAP

ゼッケン番号(私は590)の数字アイコンがアメリカ地図に表示され、誰がどこにいるか一目でわかります。
GPSビーコンでライダーの位置情報を正確にトラッキングし、「コース外れてホテルに泊まってるな」とか、「リタイアしたのに返却せずに自宅に帰ったのでは?(去年あった)」などいろいろ確認できて面白いです。

LEADERBOARD

参加者のTS通過時刻が表示されます。
上部のProjectionsを押すとここまでの平均速度からその後のTS通過タイムが予想されます。

RACE FLOW

縦軸が距離、横軸が時間で各参加者のデータがグラフ表示されます。
グラフの傾きが水平になっている部分は「時間が経過しているが動いていない」=「睡眠など休憩している」部分。
2位が追い上げて逆転しようとしている、垂れてきたな、なども傾きでわかるため、眺めると面白いです。

去年や一昨年の記録も見れます。
http://trackleaders.com/raam16
http://trackleaders.com/raam17

去年のRACE FLOW(スクリーンショット)を見ると、ストラッサーの独走状態が良く分かりますね。休憩も少ないです。100時間弱経ってからスタートしたチームがソロ2位以下を追い抜いています。
実際のサイト上ではグラフの拡大もできます。


■映像、写真

http://www.ultraracenews.org/
一昨年はDaily Recapsとして毎日インタビュームービーが作られていましたが、去年は無かったんですよね。今年はあるのかな?


■SNS

FB

我々チームの情報公開グループ。お気軽に参加ください。
https://www.facebook.com/groups/1470448736571892/

公式FB
https://www.facebook.com/RAAMraces/

twitter

twitterは#RAAM2018 #SUZUKIKEタグを使用しています。

クルーの山名さんが管理しているアカウント、RAAMに関係する呟きをリツイートしています。
https://twitter.com/raam_japan

クルーの蓑田さんが、チームでtwitterしてる人をリストにしています。
https://twitter.com/mino16/lists/raam2018

Instagram

今のところどの程度使われるのか不明です。
https://www.instagram.com/raam_japan/

2018/06/06

RAAM通信vol.4:よもやま話

サポートカー付きのアメリカ横断レース、といっても皆さんピンと来ないと思うのでいろいろなRAAMネタを。

サポートカーの追従方法は2種類

1)レーサーの後ろを追従するダイレクトサポート
2)通常の車の速度でレーサーを抜き去り、路肩1.5m以上内側に止められる場所を探し停車して行うリープフロッグサポート

・サポートカーというと多くが1)のダイレクトサポートを想像すると思うが、渋滞緩和の為都市部でのダイレクトサポートは禁止されている。特に前半は1000km以上がこのダイレクトサポート禁止区間、先行して止まってのサポートとなる。

・しかし夜間(19時~翌日7時)までは危険なことから逆にダイレクトサポート必須。サポートカーに追い抜きをかけた車が前の自転車に気づかず撥ねることのないよう、フォロービークル(レーサーの後ろを追走すると登録した車)はレーサーの7m以内を追走しなくてはならない。ドライバーはとにかく運転に集中してレーサーとの距離を保たねばならず、運営のCEO(過去レーサーとクルー両方の経験あり)はフォロービークルに轢かれたことがあると言っていた。

・ナバホ自治区(飲酒運転が多い)など一部地域もダイレクトサポートが必須となる。

・日中のリープフロッグサポート、特に序盤は多くの参加者のサポートカーの取り合いになり、路肩にスペースがある場所があまりない。場合によっては1時間のペナルティ覚悟で1.5m以内に止まるチームもある感じ。

サポートカーつきだから休まずに走れるかというとそうでもない。

・特にサポートカーが1台のRAW(Race Across the West)。クルーのトイレタイムやガソリン補給タイミング等も考えねばならず、レーサーはずっと走り続けられるわけではない。ウォルマートの大駐車場に止めてからのトイレはそれだけで10分コース。単独走でコンビニのほうが早い。

しかし
・パンク時の機材交換(前回1500kmで4回パンクした)
・衣類の交換
・夜間他の車からのガード

はサポートカーがいることで圧倒的に有利になる。特にこの砂漠を横断するコースでは30分単位でのドリンク補給が必要であり、サポートカー無しでの走行は困難。


フォロービークル以外は別ルートを指定される区間あり

・渋滞を避けるため、RV等の大型車は自転車と同じルートを走れない。ウォルマート等の駐車場での合流となる。


砂漠の乾いた草はヤバい

・道路から1.5m離れなければと、砂漠で草の上に駐車すると車の熱で乾いた草に火がつきあっという間に燃える。この話を冗談だと思って笑っているチームがだいたい2年に1回くらい燃える。燃え盛るサポートカーから荷物を全部投げて他の車でレースを続行したチームもいたらしい。


交通法規違反は失格

・オフィシャルカーが巡回しており、かなりいろいろ見ている。ガソリンスタンドで停車時に自転車のフロントライトを消灯してしまった(常時点灯が必須)ら、すぐにオフィシャルカーに注意された。

・序盤の市街地は交差点にボランティアのスタッフがいる。

・他のチームの違反をチクる仕組みもある。

従って日本のこの手のレースにありがちな、上位は信号無視上等といったことは無い(そもそも距離に対して信号の数が圧倒的に少なく無視する意味も無い)


ドラフティング禁止

・他の参加者の後ろにつくのは禁止。

・もちろんサポートカーの後ろも。

・1分間隔時差スタートから12.5kmのサイクリングロードは追い越し禁止のパレード区間。(25km/hを超えていた場合出口で時間まで停車させられる)

・サポートカー(ダイレクトサポート時)と並走しての補給受け渡しは1時間4回までというルールもある。


違反のペナルティー時間は途中のTSで拘束

・軽微な違反は1時間のペナルティー。これはゴールタイムに加算されるのではなく、途中のTSで1時間拘束される。


レーサーは指定コースを順方向にしか走ってはならない

・コースを外れる場合は本部に連絡し、「サポートカーに載せて」移動しなければならない。

・コースを逆走する場合も同様。レーサーはコースを逆走してはならない。

・クルーがコース上で自転車に乗ってはならないというルールもある。


ドーピングは禁止、WADAの規定に従う

・漢方に注意だねー、麻黄とかあるし。


クルーも大変

・偶に写真を撮って遊んでいるクルーがいるが論外。RAAMソロはチームスポーツ。

・RAAMのDVDではレーサーと「俺らも会社休んで来てるんだから走れよ」と喧嘩しているシーンがあった。

・2016年RAW、途中で会ったチームクルーが「予定の時間から遅れていて飛行機に間に合わない」と怒っていた。

・ゴール後、レーサーとクルーが一言も会話しなかったチームもあったらしい。

・レーサーもクルー(運転するしないに関わらず)も飲酒は禁止。


リタイアの理由

・やっぱり危険なのは事故。自爆して崖から転落、車に撥ねられるなど。死亡事故もあり。

・シャーマーズネック(首に力が入らなくなり保てなくなる)も多い。ゆっくり速度域ではないため普段起きない人でもなるようだ。去年2017年は3450kmで2位の選手(新人1位)がシャーマーズネックでリタイアした。

・多いのが肺の障害。現在世界最速?のストラッサー、 TransAM女性記録保持者ジュリアナもこれでリタイアしている。砂漠の暑さの後に3300mまでの登坂で肺炎に陥ることがあるようだ。

・他にもカンザスでは小麦栽培の粉塵で肺がやられるという話もある。

・あとは低ナトリウム血症、腎機能障害、肝機能障害など。


主催はいろいろ慣れてる

・2015年に熱中症で救急搬送され妻の顔もわからない意識障害に陥った時に「2日くらいで治るよ」とスタッフが言っていた、ホントに2日で戻った。

・そもそも救急車呼んでるのに「お前ら再スタートする場合はこの場所からだぞ」とか言われるし。


意外と融通が利く

・前日事故にあった選手、1時間遅れでのスタートが認められた。

・一旦DNFを宣言した選手が、やっぱ走るとまた復帰していたり。

・今まで誰もチャレンジする人がいなかったハンドサイクルの制限時間はノーマルバイクと同じ12日だったが、レース開始以降に女性と同じ12日21時間に変更された。

途中TSでのカットオフも「この時間までに通過しなければゴールは厳しいですよ」と設けられているだけで、何かのトラブルで遅れても理由があれば通過できそうな雰囲気。
運営から感じられるのが参加者へのリスペクト。ルールが参加者主体で作られており、時にそれは曲げられる。

・但しゴールだけは1分でも遅れたらアウト。これは「過去の達成者の偉業を守るため」である。


企業サポート

・流石にこの規模のレースなので大きなスポンサーをつけている選手も多い。

・アメリカ人選手のDAVE HAASEはIBMのサポート受けて心拍等のデータを中央管理していたり。

・私もどこかサポートしてくれないかなー。

2018/06/04

RAAM通信vol.3:過去の記録

さてRAAM通信その3は、過去の記録や今回の出場選手などをまとめてみます。

■完走確率

ソロ完走確率:53.5%

過去36回、のべ参加者数1004名に対し、完走数は537名。

ソロ完走確率(女性):49.2%

のべ参加者数120名に対し、完走数は59名。
女性もいるとはいえやはり少ないです。

初参加でのソロ完走確率:48.3%

ユニーク参加者は545名、うち初参加で完走した人は263名。

チーム完走確率:92.4%

チームカテゴリの開催は1989年から。過去29回の参加656チーム中、完走は606チーム。
制限時間が短いとはいえ、他の人が走っている間に休む時間があるチームの完走率はソロと比べて非常に高いですね。

■ゼッケン番号

RAAMのソロ参加者は初参加時に振られたゼッケン番号が以降ずっと与えられます。
私のゼッケン番号は590。この番号は今後ほかの人に使われることは無く、再度出場する際は同じゼッケン番号での参加となります。
この為参加者の中にはジャージにゼッケン番号を入れる人も少なくありません。私もこっそり入れてます。

■記録

ソロ男性最短記録:7日15時間56分(Christoph Strasser)

2014年はコースが4860km、グロス速度は26.43km/h。いつ寝てるの……。
この年のストラッサーは主催者が事前に州警察に伝えていた通過時刻より速く進んでいくものだから、本部が追いかけながら各警察に連絡しなおして大変だったとの裏話を聞きました。

ソロ女性最短記録:9日4時間2分(Seana Hogan)

1995年の記録です。彼女は過去6回と男女合わせて最も多く優勝しています。

チーム最短記録:5日3時間45分

8人チームのグロス速度はなんと38.93km/h、めちゃ登りあるんですけどこのコース。4人チームだと5日8時間17分という記録があります。

最高年齢完走者:69歳(Herve Talabardon)

1995年PBPを43時間20分、2007年PBP(61歳)を44時間48分で完走。ツールドフランス出場経験のある2人の息子がクルーとしてサポートしています。
いろいろ別次元。

日本人最速:9日6時間(桜井要)

最速もなにも過去日本人の参加者はこの方しかいません。有力者でもリタイアが普通なこのレースで、1995年から1999年まで4回参加し4回とも完走しているところが凄すぎです。

■今年の参加者のみどころ

女性のソロ参加者は3人、全員過去完走経験あり。Hoganさんは流石に往年の速度は無いし、前回優勝者のNicole Reistさんが優勢でしょうか。ちなみに我々のチームは彼女のタイムを参考にプランニングしています。

RAAMフィニッシャーのNicoleさん

男性は…今回初参加が非常に多くてよくわかりません。初参加以外の顔ぶれでは過去最速記録を持つストラッサーが一人飛び抜けて速いでしょうか。

以前からよくこちらの動画を貼っているんですが、彼はこんなアホみたいな雷雨の中(動画1:30~)でも止まらずに進んでいくんですよ。そりゃ他と差がつきますって。

他には過去9日台でゴールしている人が数人。初参加者ではAndy Christensen氏が2015年RAWで私と同じくDNF。2016年RAWでは私より15時間速くゴールと、まあライバル?なんですが多分今回も先行されるかな。

「レースだから少しでもいい順位を」と言いたいです、そりゃできるものなら優勝したいです。ですが私の実力的に初参加完走の48.3%に入ることをまず狙っていかねばなりません。無理しまくって出来るかどうか。

2018/06/01

RAAM通信vol.2:チームスズキケ紹介

このRAAMソロ、日本人の参加は1999年の桜井要さん以降、19年ぶり2人目となります。
レーサーである私とクルーを紹介します。


■レーサー

鈴木裕和

43歳のオッサンサイクリスト

・2016年Race Across the West完走(9位)
・2015年、2011年PBP完走(2007年は事故でリタイア)
・ブルベの最長距離はBAJ2400km
・ツールド沖縄市民200kmは過去3回完走
・富士ヒルクライム64分58秒とギリギリゴールド
・エンデューロ系のホビーレースは何回か入賞したっけな

戦績を書くのはマイナスにしか…ホビーレースを少しかじった程度でレーサーとしての力は非常にショボい。集団走行もしっかりとした練習をしていないため、マスドレースにはもう10年以上参加していない。

ではロングライドで速いのかというと、50時間切りを目指した2015PBPも800km地点で失速と全然パッとせず。はっきり言えばとても遅い。
が、PBP後のフランスアルプスサイクリング等、過去4000kmを超えるサイクリングは何度も行っており、RAAM参加への心の拠り所はこのあたり。恐らくチーム内で最も英語がダメ、そのかわり牛と会話できると信じている。


■クルー

※ブルベで知り合った仲でもあり個人の紹介として所属するクラブを記載していますが、クルー参加は各個人の行動であってAudaxJapanや主催クラブの活動とは一切関係ありません。

鈴木ちさ

クルーチーフ。他のクルーへの指示、補給担当。レンタカーや物資の手配などRAAM参加までの雑多な作業は全て任せている。

慎重派で咄嗟の判断は苦手。妻のためレース停止の判断が甘くなるのでは?とかレーサーが言う事聞かないのでは?とかいろいろ危惧されているが、まあ無事に帰ってくるにはそのくらい慎重で丁度いいのではないか。


立川一昭

補給、運転担当

2015年スズキケ第1次RAWクルー。70歳超のチーム最高齢にして2018年のBRMは600kmまで完走しているベテランランドヌール。

卓越した英語力とネゴシエーション力でチームを有利に導いてくれるはず。


本多海太郎

運転、機材整備担当

AJ神奈川代表。ブルベスタッフとして運転には慣れており、安心してフォローカーを任せられる。

自由奔放すぎるマヤさんを裏から制御するフィクサーでもある。


井手マヤ

運転、クッキング担当

AJ神奈川スタッフ。日本のブルベ黎明期から活躍する伝説的ランドヌーズ。

砂漠の太陽を利用したソーラークッキングで美味しい物を調理すると言って聞かない。ちゃんとサポートして貰えるのかな。


吉田仁

運転担当

R札幌代表。後半から参加。

レーサーが主催するAJZwift(ローラー台でのバーチャルブルベ)での唯一の3年連続SR保持者。やられてもやられても走り続ける熱いランドヌールであるが、AJZwift繋がりで今回はクルーとして参加してくれた。


蓑田一郎

運転、機材整備、マッサージ担当

VCRあおば副代表。前半のみ参加。

短距離~中距離に関してはレーサーより圧倒的に速く、その走力ゆえ、ひどいコースを作ることで有名。
あおばひどいの「い」は一郎の「い」である。


冨永栄治

運転、機材整備担当

元VCRあおばスタッフ。2015年スズキケ第1次RAWクルー。車でのアメリカ横断経験あり。

冷静沈着な性格と多岐にわたる能力により、2015年RAWリタイア時には故障したアポロ13を地球に帰還させるエド・ハリスに例えられた。


尾澤千恵子

運転担当

元RC名古屋代表。ゴール直前に離脱。

2017年にボレゴスプリングスで行われた24時間タイムトライアルでは666km走って女性3位に入賞、RAAMの出場権を獲得している。2019年RAAM参加予定。


村上ゆりか

補給、撮影担当

ペーパードライバーであるなどスキル的に妻と被っており、補給やチーム全体の情報把握係としてクルーチーフ代理を務めてくれる。

彼女の撮った花の写真は良く見るけど男の写真は見ないので綺麗な物しか撮りたくないのかもしれない。


山名英明

補給、広報担当

2016年スズキケ第2次RAWクルー。後半から参加。

@raam_japanの中の人。不精なレーサーに代わりRAAMビラを作ったりと情報拡散に努めている。
レーサーとは同じ大学で同じ会社(元)でもある。


荒堀淳一

補給、撮影、運転担当

アメリカ在住。一応補給係として動いて頂くことになっているが、運転もできる為いざという時はドライバーに。

道中のいろいろな景色を綺麗な写真に残してくれるのではと期待している。クルー内で唯一BRM600kmを走っていない常識サイクリスト。


根本俊之

運転、機材整備、DIY担当

アメリカ在住。クルーセミナーへの参加、各種資料の読み解き、データの作成などここまでクルーチーフ以上の作業量でチームに貢献している影のチーフ。

いろいろこなせる人であっても基本運転できる人はドライバーになってしまうので勿体ない。



レーサー1人がアメリカ横断するために、総勢12名のクルーがサポートしてくれます。(蓑田さん尾澤さんは前半のみ、吉田さん山名さんは後半のみ参加で、常時いるクルーは10名)
皆が自転車乗りであり、錚々たるメンバーです。下手したらレーサーよりも長距離強いかもしれません。クルー力で保っているチームですが、尻を叩かれながらレーサーも頑張りたいと思います。

またこのRAAMへの参加資格を得る為のレースRAWでも、何人かのクルーが協力してくれました。


■2015年第1次RAWクルー

鈴木ちさ


立川一昭


冨永栄治


金井いずみ

運転、お笑い担当:特技は天然


■2016年第2次RAWクルー

鈴木ちさ


山名英明


加藤毅

運転担当:特技は台湾水餃子

三和真

運転、撮影担当:特技は睡眠

2018/05/31

RAAM通信vol.1:RAAMって何?

2018年6月12日(日本時間6月13日4時)、アメリカ大陸横断レースに参加します。
スタートまであと2週間を切りました。出国までほぼ日刊で、RAAM、それから我々チームの説明を書いていきたいと思います。

※長いこと放置していた「アメリカ大陸横断レース」のページも、このRAAM通信に合わせて書き換えていきます。


■RAAMって何?

RAAMは「Race Across AMerica」の単語の先頭(+1)を並べたもので、直訳すると「アメリカ横断レース」


1982年から開催されているこの自転車レースは今年2018年で37回目。年々コース変更はあるものの、西海岸からスタートして東海岸まで、総距離約3000マイル(4828km)、獲得標高175000フィート(53340m)を12日間以内で走るという基本ルールは変わっていません。

今年2018年のコースはカリフォルニア州オーシャンサイドからメリーランド州アナポリスまで、距離4939km、獲得標高54701mとなっています。



■カテゴリー・制限時間

Divisions

・ソロ男性
・ソロ女性
・2人チーム男性
・2人チーム女性
・2人チーム混合
・4人チーム男性
・4人チーム女性
・4人チーム混合
・8人チーム
の計9区分

Categories (Bike Type)

・スタンダード(ロードやTTバイク)
・タンデム
・リカンベント
・HPV(カウル付きのリカンベント等)
・ハンドサイクル
・オープン
の計6カテゴリ

Age Groups

・50歳未満
・50-59
・60-69
・70-74
・75歳以上
の計5グループ

上記区分によりレースが行われます。


制限時間

・ソロ男性;288時間(12日間)
・ソロ男性(60歳以上):309時間(12日間と21時間)
・ソロ女性:309時間(12日間と21時間)
・チーム:216時間(9日間)


開催年により総距離が変動しても制限時間は変わりません。
また、開催当初は先頭ゴールから1日以内の到着でオフィシャルフィニッシャー(真の完走)と、12日間という制限時間以外にもレース的なタイム制限が設けられていましたが、今世紀に入ってからはこれは撤廃されています。



■基本ルール

※ここではソロのルールを挙げています。

・レースの為の公道封鎖は行われない。(各州警察に届け出はされている)

・ドラフティングは禁止、1分間隔時差スタートの完全なタイムトライアル。

・ソロ部門出走には参加資格(指定レースでの基準タイム内ゴール)が必要。

・レーサーにはGPSが渡される。レストランでの休憩等、コースから一定時間外れる場合は必ず本部に連絡しなくてはならない。

・全区間で50超のタイムステーション(TS:ブルベで言う所のPC)が用意される。TSは通過時間が記録されるが、制限時間が設けられている箇所はこのうち3つ。緩い制限時間であり、オーバーしていても正当な理由があれば通過を認められることもある。

・1チームはレーサーの他にサポートカー2台、車1台に対しドライバー2名のクルースタッフを用意しなければならない。(参加チームの多くは8~12名)

・スタートから約1000km区間、その他交通量が激しい区域ではサポートカーはレーサーの後ろ(当然前も)を走ってはいけない。通常の車の速度で運転を行い、道路から1.5m以上離れた路肩に停車してサポートする。

リープフロッグサポートの例

・ローカルタイム19時から7時までの夜間は、フォロービークル登録したサポートカーはレーサーの後方7m以内を追走しなければならない。

夜間フォロービークルはライダー後方追走を義務付けられる

・並走しての補給食受け渡しは1時間に4回まで認められる。またこのときサポートカー内のクルーはレーサーの自転車等に手を触れてはならない。

・ミーティングの開始時間に遅れる、交通渋滞の引き金となる、路肩から1.5m以内の道路に近い場所にサポートカーを停車など、軽微なルール違反は走行時間に1時間のペナルティーが加算される。ペナルティー5回で失格となる。

・信号無視等の交通法規違反は一発失格。

・コース上はオフィシャルカーが巡回しており参加者の違反をチェックしている。また他の参加者のルール違反を申告する制度もある。


公道封鎖は行われず一般車と一緒に行われるレースですが、それ故に交通法規違反等に関しては重大なペナルティーが与えられます。また巡回オフィシャルカーやボランティアの立哨などチェック体制もあり、レースとして「ズル」が出来ないような仕組みになっています。



■ルート

カリフォルニア州オーシャンサイドからメリーランド州アナポリスまで、距離4939km、獲得標高54701m


コースプロフィール

序盤

スタートから100km、標高1200m程の山を超えた先からは最初の難所、砂漠地帯が1000kmほど続きます。比較的涼く湿度もある西海岸から一山超えただけでガラっと気候が変わり、準備不足の参加者がまずふるい落とされるのはここ。この区間では、日中あまりに暑い場合はエアコンの効いた車内で休むといった戦略も必要になってきます。



砂漠といっても日本の皆さんがイメージするようなサハラ砂漠のように何もない砂丘が続いているわけではなく、道の脇に小さなブッシュやサボテン等は生えています。それでも2015年には気温48℃、灼熱の太陽、雲一つない青空、数百kmに渡り存在しない日陰と、レーサーの体力を異常なまでに奪いました。

とにかく暑い。ずっとドライヤー吹き付けられている感じ

600km地点からは標高1000m超の高地を走ることになりますが、気温はあまり下がりません。(しかし夜間は冷えます)

これで標高1000m超


2016年の気温、なにもこの白いとこ通過していかなくても…


夜明けのモニュメントバレー。明け方は寒い

私が過去走ったことがあるのはここまで。ここまでは実体験ですが以降は伝聞での情報です。


中盤

カリフォルニア、アリゾナ、ユタを抜けてコロラド州へ。1500km地点、同時開催されるRace Across the West(RAW:西海岸横断レース)のゴール地点デュランゴまで来ると気温は一息。ここからはロッキー山脈越えで標高3300mまで登坂。

砂漠の猛暑から一転して涼しい高地となり、急激な気候の変化と疲労から肺炎になる参加者も出てきます。ロッキー山脈を越えればしばらく続く平地、しかしこのカンザス区間は例年大雨や強風に見舞われることが多く、また小麦の粉塵によりここでも肺にダメージを受けることがあるようです。

ミシシッピ川付近で大雨での氾濫による交通封鎖が毎年あり、レース中にコース変更、迂回路が指示されます。


終盤

コース断面図を見ると前半のロッキー山脈を越えればあとは平地に見えますが、これは縮尺の罠です。
実はこのRAAMのコース、スタートから6割走った地点でまだ獲得標高的には半分。そう、一見平坦に見える後半のほうが登りが多いのです。

最後に待ち構えるのはアパラチアン山脈。大きな峠ではなく、細かなアップダウンが延々と続きます。


グラフは各タイムステーション間の獲得標高/距離

終盤になり100kmで3000m近く登る区間も。



■最も過酷な自転車レース!

距離/獲得標高のハードさだけでなく、様々な環境の中を走り続けねばならないこのRAAM。レーサーだけでなく、クルーもまた非常に消耗し、完走にはチーム一丸となった体制が必須です。(2016年の台湾チームはクルーが熱中症で入院していた)


クルーも耐久勝負

公式ではThe World’s Toughest Bicycle Race!(世界で最も過酷な自転車レース!)とうたっています。

暑さで脱水して全身攣ってる

というわけで、皆さん現地からのレポート楽しみにしていてくださいな。

2018/05/18

ちょうど一年前に…「ブルベのすべて」のできるまで

  私の初の著書「ブルベのすべて」が発売されて1年経ちました。
Amazonでの評価は4.9。正直かなり出来過ぎかと思います、高評価をくださった皆さんありがとうございます。

  この本を書くことになった経緯ははぐらかすとして、2014年末、ブルベの本を出すという話が生まれました。
  出版社であるスモールライト様は、200km,300km…と順にブルベを完走していくような、ガイドブック的な物を出したいというお話でした。

  RAAM(Race Across AMrtica:アメリカ大陸横断レース)出場の為にネームバリューの欲しい私には願ってもいない話でこれに飛びつき、執筆活動が始まります。しかし初めての出版、それに2015年のRAW(Race Across the West:RAAM出場資格を得るためのレース)での入院などでなかなか執筆が進みません。

  ようやく原稿が完成したのは2016年末、出版社が提示した期限にも間に合わず、恐らく大変なご迷惑をおかけしたと思います。

  さてこの原稿、[V1]としましょう。これを元にプロによる手直しが行われます。
  これは最初の契約時にも聞いていたことで、ド素人の私の文章がそのまま出版されずに手直しが入るというのは、こちらにとっても非常に有り難い話でした。「プロによる修正」を考え、提出したものは箇条書きメインでややラフに書いていました。

  この[V1]を元に、校正、校閲された[V1']が作成され、私の手元に戻ってきました。それを見た私の感想は「違う…」。
  私はこの本を単なる「ブルベ参加のためのガイドブック」にしたくはありませんでした。例え出版社が、世の中が求めているものがそうであっても、ブルベの楽しさは試行錯誤してそれに辿り着くことを含めてなのではないか?これがBESTと言う形で読者にスタイルを提示して、果たしてブルベの楽しさを伝えられるのか?そんな想いがありました。

  「ブルベの本を書くことになったよ」、そう知人に伝えた時、スタッフのツカポンさんには「ブルベが雑誌等で取り上げられるようになって以降、参加者の装備は非常に画一的になった。ガイドブックのような、そんな本は出して欲しくない」そう言われました。
  それは私も同じで、出版社の求めていた物はガイドブック的な物だったのかもしれない、しかしこのソツなく纏まった[V1']原稿は、私が書きたかったくだらない部分は削除され、論文のようになっています。それは私が考えていた完成形とはかけ離れていました。


  この[V1']の存在は非常に悩み、本気でハゲそうでした。RAWで資金援助してくれた人向けにこっそりFBグループを作成し、ブルベ本の現状を流していましたが、この時私は相当愚痴っていました。仲のいい知人には本が出るかもよという話は伝えており、そういった人がこの[V1']を見た時に、あー普通のガイドブックね、そう思われるのが嫌でした。

  友人から「望んでいないものを出すくらいならちゃんと出版社に話してみたら」とアドバイスを貰い、「これは私の望んでいた文章ではない、原案として名前が出るのはいいけど、私の名前で出版したくはない」とまで(超失礼)出版社に言いに行きました。
  恐らく「私の文章が拙い」と感じている方は最終的に出版されたものよりも、この[V1']のほうが合っているのかと思います。プロにより手直しされた文は余分が無く、しっかりとまとまっていました。しかしその余分は、たとえ拙かったとしても、私にとっては大切な部分でこの本のキモでもあります。
  有り難いことに編集者は(散々スケジュールが遅れているにも関わらず)、「著者の望まないものを出すのもなんなので、やり直しましょう、次は鈴木さんの文そのままで行きます。」と言ってくれます。元々手直しを意識して書いた箇条書きの文は、「段落を考えて構成しろ」とのアドバイスを受けて書き直すことになります。

※もちろん、この後作成される[V2]はこの[V1']の修正が多く盛り込んあります。ですので独力で書いたわけではありません。


  出版社としては「ブルベのガイドブック」的な物が欲しかった。私はそれを書きたくなかったのだけれど、文章力の無さ故に余計な部分は削られ、「ガイドブック」としての体裁を深めることになってしまった。元の原稿[V1]ではそれが伝えきれなかったばかりにこの結果になった。ではどうすればいいのか?私の考える「ブルベの楽しさ」を読者に伝えるにはなにが足りないのか?

  やっぱり臨場感かな。論文調の語り口なブルベ攻略マニュアルからは、ブルベの楽しさ、ツラさ、そういったものが伝わってきませんでした。今までBlogに書いたような、ブルベの日記を各項目のテーマにあてはまる形でつけたらどうだろう?やってみるとこれが面白く、これまで停滞していた執筆もワリと早く進みました。説明文まずありき、それに補足で日記をつけ足したのが今の原型、[V2]作成の流れです。

  架空のブルベ日記を書くにあたって、読者と同じ目線になる存在の「私」、それからそれをガイドするベテラン「友人」を設定しました。これ初めて言いますが、両方私がモデルなんです。「私」は何もわからずに初めてブルベに参加した時の私、「友人」は慣れてきて妻のサポートしてしている時の私です。
  ただ、読者の性別がわからないため、「私」はどちらとでもとれるような性別不詳の、中性的な言葉遣いをするようにしました。しかしこれは40過ぎたオッサンの勝手な妄想で、読んだ妻に言わせれば「いや女性とは思えんわー」とのことでしたが。

  あとは「あとがき」に書いたように途中に登場する元気のいいオッサンは当時AJ会長の稲垣さんがモデルです。周りの批判をおいて行動する稲垣さんならこの本もその人脈で売り捌いてくれるかも、そんな下衆な考えが無かったといえばウソです、でも誰かを登場させるときに真っ先に頭に浮かんだのが彼でした。あとはブルベ参加当初お世話になった埼玉スタッフの山口さんかな。

  そうして完成した[V2]原稿をもとに、今度は校正のみ行われ、無事出版されることとなります。土壇場で日記をつけたために用意する時間はありませんでしたが、場面に合った写真を用意して載せたかったですねえ。


  ま、こんな所ですかね。
  こちらにある本書にある誤りは第2版では修正されています。同ページ[補足]で書いたこと以外にも、補給に関することはもう少し記載したかったかな。
  あと大きな間違いは無いと思いますが、現時点では私は「カフェイン断ちは意味が無い」説を採用しています。本文ではかなりボヤけた書き方をしていますし、どのテスト結果を信じるか、って話なんですけどね。