2013福岡タンデム日記の途中ですが、SR600の話です。
5/25,26とオダックス埼玉が主催するSR600Fujiを走ってきました。恥ずかしながら落車で470km地点でリタイアとなってしまいましたが、それまで走って感じたこと、通常のBRMとの違いを挙げたいと思います。
■SR600とは
まずSR600とは何かというと通常のBRMと同じくACPが認定するブルベであり、BRMと異なるのは
1)Permanentsである
2)累積標高が10000mを越える600km
という点です。
パーマネントというのは日本ブルベ界では馴染みがありまでん。主催者がコースを設定し参加者は好きに出走日時を決めてそのコースを走るというものです。
通常のパーマネントであれば各PCにはクローズタイムが設けられる可能性があるのですが、SR600に関してはPCのクローズタイムは無いようです。
SR600に関する説明はオダックス埼玉のhttp://audax-saitama.org/SR600/SR600.htmlがわかりやすいかと思います。
通常の山岳をそこそこ含んだブルベ(BRM)では累積標高/走行距離が1%程度になることが多く、それらと比べると600kmで10000mというのはかなりハードなコースに感じられますが、制限時間は50時間、更に累積標高が10000mを超えて500m増える毎に1時間加算と通常のBRMよりもかなり緩くなっています。
■走ってみて感じた通常のBRMとの違い
まず大きいのはPCにクローズタイムが設定されていない点です。更にスタート時刻を自分の好きな時刻に設定できます。これがどういうことかというと
・通常のBRMでは次のPCに間に合うように走るのが目標
に対して
・最終ゴールに間に合うように走る長いスパンでのタイムマネジメント
が必要になってきます。疲労を考えてどこで宿をとる(あるいは仮眠する)かという問題も、走力が安定しているほど融通が利くようになります。
例えばBRM600では20km/hで走れる人なら全体での貯金は10時間。しかし300km地点で仮眠しようとすると次のPCに間に合うように走るには5時間しか余裕がありません。PCにクローズが無いというのは10時間フルに使える(トラブルによる多少の余裕は必要だが)ことになり、これが非常に大きいのです。
この仮眠ポイントを最大限に生かす為や、途中の2000m峠の通過時刻を考えたスタート時刻の設定も大事になってきます。
■SR600が無理なく走れるレベル
累積標高の増加による通常BRMとの所要時間差は、登りの能力もあってなんとなくですが
・BRM300を13時間 -> SR600(Fuji)の300km地点まで15時間
・BRM300を16時間 -> SR600(Fuji)の300km地点まで20時間
くらい見ておけばいいかと。このあたりで走れる人あれば十分な睡眠時間を獲得できる為、BRMより時間的には無理をせずに走れると思います。
宇都宮の山岳200km(渋峠ゴールで累積標高5000m)を完走できる人であれば相当な余裕を持って完走できます。
・速く走れる場合は自分に有利なように時間を使えてより速く、遅い場合はより遅く
これがBRMよりも更に顕著になります。
例えば先週SR600Fujiを完走した大塚さんは途中で2泊しています。私は殆どの区間は明るいうちにしか走らない予定でしたので、夜間の速度低下を考える必要ないスケジュールを組みました。
BRM600をギリギリで完走という状態ですと、多少の睡眠時間確保ができたところで走行時間もかなり増えるわけで厳しい戦いになるのではないでしょうか。
■キツさ
結局のところハードかどうかなんてのはコースに関わらずどれだけ本気で走ったか、ということだけで…
なんて言いたいところでしたが、2日目の麦草を登ってる最中に初日の筋肉へのダメージをかなり感じ「やっぱりこのコースはハードだなあ」と思いました。
今回のインナーローはいつものように34x27。ある程度の速度で走るのが目標であってこれでギリギリ。ゆっくり筋肉へ負担をかけないように走るのであれば、もっと軽いギアが必要だと考えています。とにかく時間はあるので、いかにダメージを残さず走るかが重要です。
一番の問題は天候かな。気温差には要注意だし、雨だと極端に難易度が上昇すると思います。
■平均速度が落ちる要因
私には累積標高よりも斜度のほうが重要な要素となります。
例えば平均斜度が4%程度だったら登りで20km/h弱、下りで35km/hと平均25km/h維持はギリギリ可能でも斜度がキツくなって登りの速度が12km/hを下回ったら(下りも同じ距離だとすると)下りを光速で走ろうが24km/h以上にはなりません。
もちろん同じ累積標高だとすると峠の斜度が急ということは同じ距離ではその他平地部分が増えるってことですが、平地は信号も増えるし、速度が増すと空気抵抗も大きくなるしで、失った時間を取り戻すのは難しいのです。
所要時間は累積標高だけではなくて、平均斜度が○○%だからこのくらいかかる。で計算するのがよさげです。
■写真でのPC通過証明
inainaさんがmixi日記に書いているように、夜間走行が含まれる場合PC通過の証明写真が厄介な可能性があります。これは話を聞くまで盲点でした。
写真は自転車(に取り付けたフレームバッジ)と背景を同時に写さなくてはいけません。夜間で暗い場合、フラッシュ程度の光は遠くの背景まで十分に行き渡りません。さらに再帰反射の標識が指定の背景だった場合は、撮影位置から離した箇所にライトを置いて標識を照らす、等の工夫が必要になります。
■SR600Fujiのコース
リタイアしたPC11まで、コースのキツさや気になった点など
○スタート~PC1
市街地というほどではないものの序盤はそこそこ信号があります。スタート直後で入れ込んでいて全力で漕ぐ->信号ストップを繰り返してしまいましたが無駄足だったなあと反省。こういった区間では頑張っても頑張らなくても所要時間はたいしてかわらないため、青梅市街を抜ける21km地点まではアップのつもりでいいかも。
そこから山伏峠までは信号も無く車も少ないという走りやすい道が続きます。コンビニは無くなりますが、途中数箇所の公衆トイレと湧き水での給水ポイントがあります。山伏峠は斜度はそこそこあるものの距離が短いため、時間の遅れはそう気にならないはず。
○PC1~PC2
山伏下って299に出てからは一気に時間を稼げる高速下り区間です。但し大型も結構走ってるうえに中央にポールがあるため、適当な位置で大型をパスさせるかトラックより速い速度で下るかの選択を迫られます。トラックもかなり飛ばしているため、私は後者は無理でした。
秩父市街もそう信号は多くなく快適な道が続きます。が、79km地点杉ノ峠?あたりの県道13号は道幅が狭いのにダンプカーがやたら多くて、下りでかなりつまっていました。
○PC2~PC3
碓氷峠は平均斜度もキツくなく、道幅が狭くて木が生い茂ってることから直射日光も多少は避けられると思います。多くの車はバイパスを走るためか車も殆ど通りません。
問題は軽井沢からのロマンチック街道。斜度がそこそこキツくなり、また斜面が南側で(さらに私が走った時は丁度ここで日差しが強くなった)標高のワリに暑いです。コンビニも軽井沢を過ぎると殆ど無くなるため、早めの補給が重要となってきます。快適な下りの後、群馬大津からの登りも急斜面。草津に着くまでにかなり体力を消耗しました。草津からの白根山ヒルクライムのほうが斜度が緩くなるぶん楽でした。
渋峠は天気予報は良くても降りだすことを何度か経験してます。山の天気には注意を。
○PC3~PC4
下るだけ。
○PC4~PC5
暑いです。この区間はとにかく暑いです。埼玉ブルベでは定番のコースでいつもいつも暑いのは感じてましたが、まだ5月末でも相当ヘバりました。
気温は28℃で、ハンドルにつけた温度計は37℃。しかし気温だけでは説明できないようなムワっとした熱気が漂ってきます。走りながらここで1泊してもいいかもなと思っていました。(ただこの辺りは安いビジネスホテルは少ない)
菅平も上まで登りきってしまえば多少涼しくなるものの、途中までの登坂は暑いです。
○PC5~PC6
下るだけ。ではなくて、舗装状態があまり良くありません。
菅平の南斜面は常にガリガリに荒れた舗装が多く、中でも今回は繁華街部分で工事を行っており何故かマンホールだけ5cmくらい舗装から飛び出ているという状態になっていました。
○PC6~PC7
かなりの斜度のヒルクライム。ここでカモシカと遭遇。山間部は動物に注意ですね。
○PC7~PC8
長めのアップダウンが続きます。この区間は想定していたよりもかなり時間がかかりました。
当然コンビニ等もありません。軽く食べれる箇所はちょくちょくあるので昼だったらそういう場所で食べるか、上田で補給食を買っておくかしないと麦草まで持ちません。
景色が良く寄り道ポイントも多々あるため、時間に余裕があるのならば観光も楽しいかも。
○PC8~PC9
麦草峠は斜度の変化もあまり無く、そう登り難い峠ではありません。2000m超なため山頂付近は気温が下がります。
PC6の上田からここ麦草までの累積標高は3300m、おそらく本コースで最も時間がかかる100kmになるはず。ここを越えてしまえばあとは普通の200kmブルベを残すのみ。
○PC9~PC10
峠を下って141号に出る直前にヤマザキストアが1件。これが久しぶりのコンビニ。この後は野辺山を越えるまで無し。
野辺山の登りは緩やかなため、ここまで走ってきた人ならば何の問題も無いでしょう。
○PC10~PC11
一気に下り。
韮崎付近の歩道はグレーチングが一段高くなってるため、雨天時に斜めに進入して転ばないように!
ここから先も走ったことはある道なのですが今回はここでリタイアなのでここまで。再チャレンジしたら付け加えるかも。
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