2011/11/09

PBP2011 Stage13_8:眠気覚ましの先導ゲーム

  ルデアックを出発しようとすると、丁度大塚さんや菅田さんも出発の準備をしていた。
予定より早く起きたのもありまだあと4時間は暗い。一緒に走れば眠気や飽きは抑えられるし、夜はある程度固まって走ったほうが安全なので一緒に行きましょ。

  睡眠は全然足りていないが、それでも寝起き直後くらいは頭もシャキっとしている。
菅田さんと夜のフランスを軽快に走る。夜道はテールランプが眠気を…というより、ライトで照らされた路面しか見えないからフランス走ってるという実感がわかないのだよな。変化の無い暗闇の中を走るのは飽きてくる。

  後ろから菅田さんの「切れたよ」という声が聞こえた。
まさかどーもくん?!
出国前にサドルに軽くぶら下げただけのどーもくん、フランスの悪路でチェーンが切れて落ちることも十分考えられた。
  まあ落ちたら落ちたでいいやなんて頑丈には固定しなかったのだが、ここまでの旅でかなり愛着が沸いてきており、いなくなるのは寂しい気がする。
慌てて手で確認するとちゃんとぶら下がってる。なんだ無事じゃん。

  30分くらい経ち、気づくと2人だけになっていた。
あ、さっき切れたといったのは後続のことだったのか。
「どーもくんのことだと思ってた」とトボけた返事をして少しの間待つが、結構離れてしまったようだ。

  そのまま2人で先に進むことに…いや、2人でではなかった。ここで早くも眠くなり、先に行ってくれと告げて休憩する。
一人の夜は本当につまらない。集中できていて速く走れればまだ楽しくもあるのだが、疲れてダラダラモードでは何のために走っているのか全くわからなくなる。

  道の脇で寝ているマヤさんを発見して通過。前のほうに大きな建物が見えてきた。
「原子力発電なんとかセンター??」
そんなものがここにあるわけがない。ハっとして気を取り直すと何も無い。

  ここまでの道中でフランスは原子力大国という話をさとうさんとしてて、そんなことをボーっと考えながら走っていた中、妄想と現実の区別がつかなくなってしまったのだろう。
  居眠り運転は危険だから眠くなったら休むなんてエラそうなこと言っていて幻覚を見るようではもうまったくダメ。これは暫く寝ていくしかない。道の脇の植え込みの中に入り、本格的な睡眠を決意する。

  10分ほどウトウトした後だろうか、植え込みの向こう側の話し声で目覚めた。
また幻聴かと寝なおそうとするが、どうも本当に声がするようだ。しかも1人2人の声ではない、どこかの家でこんな夜中にパーティーでもやっているのだろうか?
  少し先に進むとスタッフが建物の中に誘導している。シークレットPCだ。シークレットPCの目と鼻の先で寝てたのか。あと少し進んでいれば暖かい室内で休めたのに。原子力なんたらもPCから漏れた光が見せた光景だったのかもしれない。

■8/24 4時45分。 819km、Illifaut(シークレットPC)到着。
□8/24 5時15分。 出発。

  チェック後に椅子で少し仮眠。往路のシークレットPC、Quedillacが20km先にあるので、そこまで走って休もうと考え出発する。


  退屈な夜の数少ない刺激。街灯の灯る街中を通過。

■8/24 6時30分。 841km、Quedillac(補給ポイント)到着。

  軽く食事だけしようと思っていたのだが、椅子に座って寝てしまったらしい。
起きて外に出ると明るくなっていた。

□8/24 7時35分。 Quedillac(補給ポイント)出発。

  走り出そうとすると建物内から本多さんが出てきた。聞けばすっかり眠ってしまっていたらしい。
私は第3ウェーブの8/21 18時50分スタートのためまだ余裕があるが、本多さんは18時スタートではなかったか。次のPC、Tinteniacまでは26km。18時スタートの人のクローズタイムは8時47分だ。

  都市部に入ってからの速度低下、コントロール到着からバイクを置いてチェックまでの時間を考えると、もうあと1時間くらいしか無い。
  このPBP、前回までは途中のコントロールポイントの通過は制限時刻を過ぎていても最後にさえ間に合えば完走扱いになった。だがルールにそんなことは記されておらず、前回まではOKでも今回はダメかもしれない。
※結局今回も最後が間に合えば完走になったようだ。

  本多さんを次のPCまで引きずり回し作戦を開始する。
一人でもしっかり走れる人なのは十分わかっていたが、何か勝手にイベントを考えたほうが飽きなくていい。

・クローズタイムに間に合わない -> 失敗
・途中で切れる -> 失敗
・速過ぎるから一人で行くと言われる -> 3回までOK
・クローズ3分前にPCに辿り着き「本多さん、バイク持ってますから早くブルベカードにチェックを!」とダッシュで滑り込んで2人で感動の涙 -> 大成功

  勝手にルールを決めてスタート。
時計と出力を睨みながら、出来る限り負担の少ない走りでギリギリの到着を目指す。

■8/24 8時40分。 867km、Tinteniac (第9PC)到着。

  結果は登りで膝にきそうと言われて減速が1回。そして到着は8時40分。
ブルベカードチェックの建物から離れた場所でinainaさんと会い、そこがチェックだと勘違いしてしまったためスタンプの時刻はもう少し遅かったが思ったより余裕があった。

  なにより当の本多さんは(PCで時刻過ぎても完走になるという今までの事もあるし)全くと言っていいほど焦っていなかったようで、まさに完全な一人芝居。余計なお世話以外の何物でもなかった。そもそも一人でも同じ時間で走れただろうし。

  が、これによって私の眠気は完全に覚める。なのでこのイベントは成功としよう。


□8/24 8時50分。 Tinteniac (第9PC)出発。

  頭もスッキリしてすぐに出発。あと400km、夜が来る前にどこまで行けるか。



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