2011/11/25

PBP2011 Stage17_3:ありがとうマック様

  空腹よりもピンチなのは脱水。もうボトルの水は空です。
峠を下った先にあるアラント(Arinthod)、GPSを見るとそこにはいくつかの道が交差しています。これなら大丈夫、次の町は小さな集落じゃなくて補給できる所があるはず。

  期待と共にアラント突入。早々にSUPER U(フランスによくある大型スーパー)の看板が。
やりました、ありがとうアラント、ありがとうSUPER U。コースを外れて看板矢印に向かいます。


  …サンカンタンのカルフールですら日曜休みなのに、この規模の町のスーパーがやってるわけないんだよな。期待させやがって、SUPER U。チクショウめ。

  町にあったカフェも閉まっています。もっとよく探せば開いてる店は見つかったかもしれません。
しばらく呆然とした後にまた走り出します。次こそは、次の町にさえ辿り着ければ…

  アラントから後は登りです。途中あまりの脱水に、これはもうヤバイから引き返して店を探したほうがいいのではないかと何度も迷います。
  今日は小さな峠がいくつも並ぶコースで1000mまでは登らなかったはずです、多分頂上はあと少し、もう少し行けば湖があるからそこになにかあるかもしれません。


  湖到着。周りには何もありませんね。


  ダムがありましたよ。
ビューポイントはあっても店などまるで存在しません。

  予定していたルートはここで川を渡って東に進み、辺鄙な山の中を走るというものでした。
もうこれ以上、飲み物無くして走るのは厳しいです。民家で水を貰おうかとも思いましたがお腹も減っており、補給できる場所を見つけなければどうにもなりません。
  ここまでのコースですら開いてる店見つからなかったのに、更に山奥に向かって夜になって、では補給なんて絶望的。

  残念だけど予定ルートは諦めるしかなさそうです。GPSの地図を見ると川沿いに下った25km先にオヨナ(Oyonnax)という都市があります。都市です。A404なんて大きな道も通ってるし、(民間の輸送用とかだろうけど)空港もあるみたいです。
  なんだ直ぐ近くに街あるじゃん。ここに行けば何か買えるはず。それに下りだからヘロヘロでも辿り着けそう。


  補給の目処が立って少し元気になりました。
時刻は既に18時半。明るいうちに街に着かないと店閉まっちゃうかも。


  楽しそうなボート遊び。
下りは楽でいいんですけど、川沿いでいきなり冷えてゴアカッパ羽織っても寒いです。膝が冷えて痛みが激しくなってしまいました。ロキソニン、ロキソニン、っと。


  東側にはステキな山々の姿が。予定ルートではあの向こうに行ってたのかな?


  交互通行の細い橋。山と雲が綺麗です。

  途中「肉食べ放題」っぽいレストランがありました。
やった、ここで食べれる、と中に入ると客はおらず、営業してるんだか準備してるんだかわからない状態。
  「やってるの?何か食べたい」と必死で訴えますが、店員に英語は通じずにキャッシャーの前の缶ドリンクケースに案内されました。食べ物は無いけど飲み物なら売れるってことかしら?


  1缶3ユーロです。高すぎですが背に腹は変えられません。
オヨナまではあと5,6kmなのでとりあえず喉の渇きが潤えばいいやとコーラとオレンジジュースを購入。その場で一気に飲みます。

  その5kmは200mの登りでした。


  街に入ると公共の道案内のような看板の中に見慣れたマークが。
マック!マックだ!マクドナルド様ではありませんか。ありがとうオヨナ、ありがとうマクドナルド。


  やっぱりマック様は日曜も営業中です。ありがたいありがたい。
脱水で消耗してしまっていて、食事があまり喉を通りません。1時間ほど休憩してようやく回復。
もう20時半を過ぎています。ホテルまではあと75km。

  山岳をショートカットしたからあとは平地だ、なんて甘くは無くてここからは標高970mまで登り。
真っ暗な中のヒルクライムです。オヨナはある程度大きかったけど少し外れてしまえば街灯はおろか、周りに街の明かりも全く見えません。

  この辺りの牛は放し飼いのようでカウベルがついていて、暗闇の中に牛が奏でるベルの音が響き渡ります。
山を下ってスイス国境付近。道の向こうはスイスのジュネーブです。右側は真っ暗なのに左側は燦々と輝いていて、なんだこの違いはと驚きました。


  ホテル到着は翌日1時半。ショートカットしたにもかかわらず真夜中です。
24時間チェックインマシンを見ると「最初にファーストネームを入れろ」と表示されています。これを「ファーストネーム、ラストネームの順に入力しろ」と捉えてしまい、何度入力しても予約無し表示に焦りまくり。大文字小文字を組み合わせること十数回、ファーストネームだけ入力したら下からキーがガシャーンと出てきました。


  部屋は3階。フロントは開いていないのでガレージに預けることも出来ずに自転車を担いで階段を登ります。膝が、膝が死にそうです。こんな時間の到着になって明日走れるのかしら?脱水により体が受けているダメージも不安です。

  PBPは100km走れば夜中でも補給ポイントがあったけど、勝手にサイクリングだと日曜の山岳は補給食持って走るとかしっかり考えないといけなかったなと反省した一日でした。


  予定していたコースはオヨナの北で南に進路を変えている部分を東に進み、地図の緑色の部分を突っ切るというものでした。


  ショートカットしたとはいえ獲得標高はそれなりにありました。予定ルートだと4400mくらいになっていたかと思います。

■ホテル: Inter-Hôtel Porte de Genève
宿泊費 60.6ユーロ(ブッフェ朝食込み)

■8/28, Stage-17 (サン=ヴァリエ - ガイヤール)
走行距離 250km
累積標高 3706m

■ここまでの累積: 距離 3023km, 標高 27173m



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