2011/11/03

PBP2011 Stage13_2:眠い、眠い、大人気ベッド

  明るい室内に入ったら眠気は吹き飛んだって?暗くなったらまた逆戻り。
休憩所を出て少し走っただけでもう眠い。

  10kmごとに数分休憩、そんなのでは体も温まらずに長袖インナーとゴアのレインコートを着る。
アソスのエアブロックジャージがパニアに入っているが、コレを着たらもうそれが厚着MAXになってしまって精神的に余裕が無くなるので出し惜しみ。これ以上寒くなってもまだ長袖がある、まだまだ全力を出し切っちゃいねえと。
それにあまり厚着をすると眠気も増すので寒いくらいのほうがいい。

  ここまで眠いのならどこかで1時間くらい寝たほうが結果良かった気もするが、なにせまだスタートから140km。
時間に貯金も無いし、こんな所で寝るわけにはいかないと走って、また止まっての繰り返し。

■8/22 4時10分。221km、Villaines-la-Juhel(第1PC)到着。

休憩ポイントからの80kmにかかった時間は4時間。走行時の速度は落ちていないが何度も止まって休んだのが響いている。


  前回のPBPのカード状チップと異なり、今回のチップは足首に止めるタイプ。通過するとピッと鳴るようなマットとかゲートとかあると思っていたらブルベカードチェックだけで何も無い。
  この後のPCから予想するに、写真入り口のマットの中に装置があったと思われるが、このときは少し不安だった。まあブルベカードにサインしてもらっていれば大丈夫だろう。

  ここまで9時間か、予定より1時間遅いが大丈夫、まだなんとかなるはず。
とにかく中で少し休まねば。


  休憩所にはタンデム佐藤家がいた。タンデムは17時半と私より1時間20分早いスタートだ。
まだ200km地点なのに表情は疲れが見える。あの旦那の相手をしながら走るのだから、そりゃ疲れるに違いない。


  一度追い抜いた、あるいは第3ウェーブ以降スタートの知り合いも続々到着する。
彼らは軽く食事をした後すぐに出発しようとしているけど、こちらは寝ないとどうしようもない。
さて何時間寝るべきだろうか。


  横を見るとそこには素晴らしいベッドがあった。
大人気のこのベッド、空きが出たので私も寝る。硬いとか、反っているとか、そんなのは全く気にならない。

  1時間ちょっと寝て目が覚めた。
まだ眠いが椅子に座って食事でもしよう。


  中島さんが美味しそうな菓子パンを食べる前で、こちらはバサバサになったフランスパン。
噛む度に口の中、上の歯の裏側を攻撃してきて地味にダメージを受ける。最悪だ。
  食べ物を粗末にしてはいけないと育てられたせいで、このパンを食べきらないうちは次の食べ物を買うわけにはいかない。


  時刻は6時。マヤさん達もやってきた。
彼女たちはここまでで1時間半の貯金だ、これでこの先睡眠時間を確保できるのだろうか。他人事ながら少し心配になる。

  そう言う私もこのPCで2時間も休んでしまったようだ。
それなのにまだ眠い。ここで「910km地点に50時間で到着は無理かもしれない」と思い始める。シャキっとしてさえいれば取り返せなくもないが、なにせまだ眠いのだ。

□8/22 6時。Villaines-la-Juhel(第1PC)出発。

  いいかげん先に進まなくてはと重い腰を上げPC1を後にする。
ヨーロッパはサマータイム、6時ではまだ暗い。やはり眠いので休みながら進む。


  7時になり、ようやく周りが明るくなってきた。ランタンルージュに催眠をかけられることもない。
眠気は回復した、が脚が重くて速度が全然出ない。

  そのうちにたけさんと合流して一緒に走る。
彼もどうしようもなく弱っていて、さっぱり速度を上げられない。どうもハンガーノックっぽいと言う。
  よく考えてみれば私もスタートしてからパンと水しか食べていない。人はパンのみでは生きられない。何かもっと濃い味のものが欲しい、ラーメンとかあれば最高なのに。

  前回PBPの前、埼玉スタッフの山口さんが「フランスは寝るとこないから健康ランド造る」とか言ってたっけ。
彼が健康ランドを建てたらその中でラーメン屋を開かせて貰おう。そんな話をしながら醤油やトンコツの味を思い浮かべる。どんなに考えたところで腹は膨れない。パンはまだ残っているのだが、口の中が痛いし、完全に飽きてもう見たくもない。

  バールのようなものを探しながらヘロヘロと20km/h程度の速度で走る。
だだっ広い耕地の中で店は無い。たけさんにはさっきからずっと「パン食べる?」と勧めているのだが、頑なに断られている。
袋に入っているとはいえ腹から取り出しているのがいい印象を与えていないのかもしれない。

  速度はどんどん低下し、ついに前に進めなくなった。
ここで休憩。そういえばパニアバッグの中に緊急用のチョコレートバーを2本入れていたっけ。
今は間違いなく緊急事態なのでこれを食べる。たけさんにはパンを差し出すと、彼は嫌そうに渋々と最高の笑顔で有難うと泣きながら食べた。やった、パンの処理に成功した!


  ここで後ろから大塚さんが追い抜いていく。
彼はPBP直前にガリビエやアルプを走ってきているが(私の前回の日記を参考にしてくれたらしい)、意外と疲れはなさそう。
PCでゆっくり休んで時間を一杯使って完走する作戦のようで後ろからの登場になったが、速度は十分。彼に前を引いてもらう。

  新たな人が増えると話も弾むし眠気も覚める。少し休んで食事したことで元気も出てきた。
ここからは30km/h以上のペースに回復。気がつくとたけさんが千切れていたが、さっきパンをあげたから大丈夫だろう。

■8/22 10時。310km、Fougeres(第2PC)到着。


  残り30kmを1時間足らずで来れたのは大塚パワーのおかげだ。ありがたい。


  どーもくんも喜んでいる。なにせここFougeresは前回事故にあった直前のPCなのだ。
ここからあと10kmも行けば事故ポイント、その先は全く知らないPBPの世界となる。


  サインしてカードを返される時に、一緒に絵葉書を渡された。
お城の絵葉書だ。ここFougeresには観光名所として城があるのだろうか?前回3日も滞在したのに全く気がつかなかった。


  カードチェックの奥には休憩スペースと軽食コーナー。ここでは何人かの日本人が休憩していた。
どうやら無料でWiFiが使えるらしい。妻への生存確認でなにか一言呟くか。


  壁の紙を見て挫折。今この状況でこれを入力するくらいなら寝る。フリック入力苦手だし。
って良く考えたら英数字だけだしキーボード配列入力にすればよかったのか。


  このPCは少し離れた所にしっかりした食事コーナーがあったはず。さて食べるぞ。



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