やはり2日目の砂漠地帯は400km/dayと予定していた程度しか進めておらず、初日の遅れを取り返せない。
そもそもギリギリのスケジュールを立てているわけで、何かのミスを「取り返す」のは不可能だ。
私の速度的に全てが上手く行った場合の最速ゴールは約10日、クローズタイムまでにはそこから2日弱の余裕があるから、トラブルや自己能力の見積もりミスなどをこの範囲内に収めれば完走となる。
スタート直後の熱中症、クルーも「おいおい80kmでリタイアかよ」って心配していたようだが、なんとかなりそうか。
ウォルマートには3号車も待っていて、皆と話しながら1時間ほど休んだ。
こういった休憩は結果から見れば大失敗。まずウォルマート、駐車場がやたら広くてトイレに行って戻ってくるのに15分コース、車で軽く食べるとそれだけで30分以上かかる。
クルーに脚をマッサージしてもらったりして1時間、1時間も停車するなら仮眠しなければならないし、寝ないのならもっと短い休憩でなくてはいけなかった。
RAWでの経験でわかっていたつもりだったのだけれど…できなかったな……。
暫くは幹線道路
遅れを取り返せないとはいえペースは徐々に戻ってきており、ようやく先行する他の参加者の姿が見え始めた。
前抜きまーす
抜きましたー
アリゾナ唯一の快適ポイント、フラグスタッフを後にし標高2100mから1200mまで一気に下る。
この70kmの下り区間、なんと直線だ。
ウォー、豪快な下りの始まりだぜ
RAAMスタートから100km、砂漠へと下るグラスエレベーターを最初の絶望ポイントと書いた。
木が無い山岳とか、そこからいくつかの絶望を味わってきて、ここが前半戦最高の絶望ポイントとなる。
またあの砂漠へ向かうのか…
折角標高2000m超の高地へ登ってきたのに、またあの暑かった砂漠へと続く道が、しかも一直線に下界まで見える。
道の脇にあるブッシュの密度は先にいくにつれて薄く、白い大地が広がっていく。なんか地平線のあたりは白を超えて赤くなってるのですけど、火星か!
ドリャーっと
美しいというよりただただ豪快、今回クルーとして参加してくれた友達にここを見せたかった。特に2015年RAWクルーでここまで辿り着けなかった2人には。
サイコーでしょ、この景色
だからまあ、また砂漠かよ、ってウンザリしながらも気分は最高で、笑いながら叫びながら走っていた。「凄いでしょこの景色」って。
ふう、楽しかった。あれ、寒気が…
この日は朝から荒れた舌先だけでなく喉の痛みがあった。
砂漠の乾いた空気と砂かな?と喉飴をなめていたのが、この下りで急に鼻水が止まらなくなり、ある疑いが頭をよぎり始める。
熱中症で冷たい水を体にかけまくり、寒暖の差をめちゃ作ってしまったせいで風邪をひいてしまったのかも。
下りも終盤に差し掛かると、片側数車線あった広い道は1車線になり、日本では見ないような大型が物凄い速度で追い越していく中、狭い路肩を走るかなり神経を使う区間となる。
一昨年は走りづらかった細い道が、両側にデカい街灯が並ぶわけのわからない広さの道へと改修されていた。何もない砂漠の道をこんな立派にしちゃうわけ?アメリカ謎すぎる。
砂がボコボコしてる
下り切った後は砂地、両サイドには台地のような起伏が見られる。
メサ、と呼ばれるテーブルマウンテンらしい。地層が縞のように広がり、ここまでとは違ってまた楽しい。
しかし残念ながらここで夕暮れ、日が暮れてしまえば真っ暗で、どこを走っていてもまるでなにも変わらない。
ルート89を東へ右折したところで、ナバホ自治区、主催が指定するダイレクトサポート(自転車の後ろにサポートカー併走)必須区間となる。
どうもこのナバホ自治区、飲酒が禁止されており、外で飲んだ人が飲酒運転して帰ってくるようなのだ。なんですか、それは。
州警察でなくてシェリフが治めていて、主催と警察との連携がうまくとれていないのかもしれない。なんだかよくわからないけど、ナバホ自治区は危険だから注意するように言われている。
ナバホ自治区を暫く走り、「車のライトが明るすぎる」とネイティブっぽい人に怒られてビビったりしながらTS10、チューバシティ到着。
熱があるのか頭はフラフラする。
熱中症に続きまたやってしまったかも…チェックポイントで待つクルーの皆に「風邪引いた、すぐ寝るから起こさないで」と泣きそうになりながら叫んだ。
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