2015年8月30日日曜日

PBP2015 その5:防寒着満載も着ないで風邪を引く

  今回の業者撮影ポイントはルディアックまで、通過時間が早かったためか撮影ポイントの看板はあってもカメラマンが居ない場所もあった。4枚の写真全部夜だし、他の人の写真楽しそうでいいな…

  オーストラリア人に「You are very strong!」と自分の持てる英語力全開で話しかけると(日本語が出来るといっても私のカタコト英語と同じくらいで英語のほうが会話が続く)「You too」と返してくれた。どう考えても私同じレベルじゃないし。
  ボチボチ気に入って貰えたのか、食事食べてくけど一緒にどう?と誘われる。バッグがここにあるからと断ってしまうが、今回のPBP、短時間ゴールを目指すなら彼と一緒に行動するのがベストだったのかもしれない。

  この人(B235)のゴールタイムは48時間12分。リザルトを見るとPC1,Villainesに先頭集団で入りそこで少し休んでいる。ここLoudeacでもレストランで食事したっぽいし、ノーサポートでPCの施設でしっかり食事するスタイルなのだろう。2日目の夜の走行速度が落ちているのはおそらくPCごとに1時間くらい仮眠してるため。それでも脚があれば50時間は十分切れる。
  ただ一緒に走るには力の差がなあ。私があと少し速ければ。見えない差じゃないから、今後彼のような走りを目指そう。

  日本のドロップバッグは直ぐに見つかり、157番のバッグからパンや羊羹、粉末ドリンクを取り出す。
  雨だった時に備えて替えのジャージと長袖インナーを2セット、長袖ジャージもバッグに入れてあったが、まだ15時間しか着てないしこのままでいいかな。それに外で着替えるの面倒だし。
  体は汗ダクになっており結果的にこれは大失敗だった。バッグ置き場の隣にトイレもあって(この時は気が付かなかった)すぐ着替えられたのに、何故この時にまあいいやーと思ってしまったのか。寒さに弱いのを十分自覚してるからこそダイナパック一杯の防寒着、それからここルディアックのドロップバッグにも着替えを沢山詰め込んでいたのだが。

  地べたに座って補給食を食べていると、バッグ置き場の奥のドアから人が出てきて「あれ?157番のバッグが無い?」と言ってる。あ、それ私、私。
  バッグだけ並んでて誰も居ないのは変だなと思ったんだよね。「こんなに早く来るとは思わなかった」そうで、確かに自分でも予想より早い到着。でも先頭はこれよりかなり早かったんだろうなあ。
  バッグ管理のお二人と会話しながらダラダラ。ルディアックでの滞在時間は30分。これはちょっと長すぎ、速く走ったアドバンテージが無くなっちゃったぞ。しかも到着して5分後くらいに10人程の集団が来て、ああやっぱり後ろを待ってこれに乗ったほうが良かったのではとちょっと後悔。

  スタート前に白木さんに「ちゃんとロングの走りをしろよ」と釘を刺された。確かに私は前半飛ばして後半失速というパターンが余りに多い。だってそれで後半失速しなかったら速く走れるじゃない、600km淡々と走るよりも、最初の200kmは200kmのペースで走ったほうが楽しいし。それに無酸素運動域に入れてしまってるわけではないので失速といってもペースを落とすか少し休めば普通に走り続けれるはず。

※本番だったRAWでは序盤からパワーメーター見てしっかりペースを抑えたつもり。それで完走出来てないから大口叩けないよね。

  ルディアックを出発するも見渡す限り一人。ここまで15分後スタートのCカテゴリの人を見ていない。スタートした時は80時間のA~Eまで同じ脚力の人がばらけていると思っていた。Bの先頭集団60人の中で、PBPはこの速さのオッサンが300人居るのかーなんて考えていた。でも速い人は前のほうのカテゴリに登録するし、今回はBがAに追いつこうとしていたとのことでBの序盤はかなり速かった。モルターニュで千切れて速度が落ちたとはいえ、まだCの先頭が追い付いてこないくらいリードしていた。

  要するに、今この付近は周りに殆ど人がいない。速い人は先頭集団で走っている。それを狙ってない人はもう少し後ろにいる。ここには先頭から千切れた人がポツポツいるだけ。

  とはいえオーバーペースで走った体を回復させねばならないのでマイペースで一人タラタラ走るのは都合がいい。1時間も軽く走れば回復するだろうと思っていた体は想像よりダメージを受けており、出力が戻ってくるのに2時間近くかかった。ああようやく速度が戻ってきた、これで帰りのルディアックまで一気に行けるぞ。
  しかし調子が良かったのはほんの少しの間。何か体がヘンだ、熱っぽいし頭も痛い。さっきから鼻水を垂れ流しているのは、もしかして風邪を引いた?

  気温が下がった夜明け、疲労で衰弱した体、汗でビショビショのジャージでそのまま走って風邪を引いてしまったらしい。こんな所で体調を崩すなんて。頭がかなりフラフラするので立ち止まって何度か休む。走り始めた後に右手を見たら素手だった。あれ?さっき止まった時にグローブを外してパンを食べたのかな?それでそのグローブはどこにやったんだろう?道端に置いてきてしまった?
  もう頭はボケボケだ。無くしたのはやわらか素材の長指グローブ。滴り落ちる鼻水を拭うのに丁度いいと、余った左手を鼻水拭きにする。
  ツライ。眠気なのか風邪なのか頭はよく回らない。休憩している間に2,3人のグループが通り過ぎるが、乗っかれるわけもなく一人ダラダラとブレストを目指す。

  途中にシークレットとCARHAIXのPCがあったっけ。だけど余り覚えていない。ルディアックまではあんなに楽しかったのに、ちょっとオーバーペースで走ったからって今のこの惨状は何。ダイナパックに防寒着詰め込んで置いて着ないで風邪引いたとかアホなの?なんかもうイヤになってきた。アホーアホー。

  ブレストまではPBP最高標高の登り、といっても300mちょっと。ここの登りで2人くらい追い抜いて、その後止まって休んでる時に抜かれたんだっけな。だからそういう走りじゃなくて協力して一緒に走らないといけないのに。峠のピークからはずっと下ってブレストな記憶、実際はまだまだ登りもあって、あれ?こんなんだっけな?と苦痛に満ちた表情で走っているところで笑顔で手を振ってきた参加者とすれ違い。

  今すれ違ったの一人だったけど本当に先頭なの?まず顔がオカシイ、こっちはこんなに苦しんでるのに彼は笑ってた。あんなにニコニコして先頭を走れるものなの?フレームバッジは付いてたよなあ。
  会社で「無事に帰って来いよ。危なっかしいから」と言われた。城さん(今回PBPに参加してる)にも「鈴木さんは何か削って走ってるから危ない」と言われたっけ。イヤ別に何も削ってるつもりはなくて遅いのに無理して速く走ろうとするから結果的に体力が削られるんよ。それでこんな苦痛に満ちた顔でフランスの大地を走ってるのよ。それなのにあの先頭は何?すげー楽しそうじゃん。

  今このPBPを苦しんで走ってる自分を全否定するかのような光景を見た直後、苦しそうな集団とすれ違う。あ、今の先頭集団ね、やっぱ苦しそうね。さっきの人は忘れ物取りに戻ったか何かね。(実際彼は先頭だった。しかもノーサーポートで集団から抜け出し単独ゴールだったようだ)

  先頭とは1時間くらいのタイム差を予定していたのに2時間程離されてしまっているのか。600km通過タイムは21時間半、これでも十分なタイムなのだが。体調不良での失速を考えると同じ時間で戻るのは確実に無理だ。3時間寝て25時間で走る、これで50時間ギリギリか。

PC6:Brest,618km 22時間06分

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