2015年9月15日火曜日

PBP2015 その10:合わないサドルは合わない

  Tinteniacまでは束の間の楽しい一時だった。
PCに入る前からちょっとした違和感と、これは恐らく大事になるだろうという予感が頭の中を巡っていた。

  「サドルが合わない」

  自転車に乗り始めてまず最初に悩むのは、大抵オシリの痛みだと思う。
  でも距離を乘って、自分なりのポジションや、段差で腰を浮かすことや、ペダルやハンドルへの重量の分散が出来てくるとそこまで重要な問題では無くなってくる。
  確かに合うサドルは合う。今使ってるSMPはクッション皆無でもヘンな漕ぎ方をしなければ相当な距離に耐えられる。でもまあ、450kmくらいならどんなサドルでも大丈夫じゃないかな。そうタカをくくっていた。

  それがわずか100kmもしないうちにこの違和感。これは想定外だ。
  まずパイロットが鎌野妻で、女性用サドルというのが良くない。しかもメーカーはスペシャライズド。ここは骨盤の広さでサドルの広さを合わせるべきと言っており(スペシャのサドルはあまり好きでは無いが)私が一番合うのは最も細身のサドル。しかしこれは女性用で超幅広だ。合うわけが無い。

  幅はともかく、穴あきの穴の位置が悪い。この穴のエッジと座骨とに挟まれケツの皮は悲鳴を上げる。
  大抵こういうサドルは、超後ろ乗りすればこの座骨で皮と肉を挟む問題からは解消される、でケツを思いっきり後ろに移動、するとこの幅が広すぎる問題にぶち当たってうまく漕げない。同じことが痛い。

  困った、どこに座ってもダメなサドルというのも久しぶりかもしれん。後ろの鎌野夫のサドルと交換したほうがいいかもと見ると、これもスペシャだ、しかも幅広のヤツだ…
  更にサドルバッグがシートポストとサドルレールで固定するタイプのもので、下手にサドルを交換してしっかり取り付けられなくなるとヤだなあと思った。あくまでこれは運搬任務。出来る限り現状維持のまま遂行したい。

  それでそのままTinteniacを出たんだけど、やっぱりもうダメ。ケツの皮が擦れてしまった。
  擦れた場合は透明な体液が出て、これがレーパンにくっついてまた痛いの。対応はキズパワーパッドを貼ること、もしくは傷から殺菌が入らないように抗生物質入り軟膏を塗ること。

  でサドルバッグを開けたら、中にはMY救急セット何も無し。ああ、自転車交換した時に置いてきてしまったのね。
  サドルの位置を調整しておきながら何故交換しなかったんだというのが一番の大ポカだが、救急セットを置いてきてしまったのもマズい。折角薬持ってきてて困った時には手元に無しかよ。

  さっきまであんなに楽しかったのに、サドル換えなかったせいで頭の中ケツで一杯。
  他人と走るのなんてとても無理で、何度かの停車の後、抜本的な改革を施すことにした。そう、このサドルの穴を埋めてしまえばいい。

  周りを見回して適度にフカフカして形を変えれるものを探す。キラーン。

  腹に入っていたパン登場。

  鎌野さんゴメンなさい、でも流石にこのままは詰めないです。
買い物袋に入れ、それごと穴に詰めて袋のビニールでサドルを覆い、上からビニールテープで巻いて、これで穴無しサドルの完成だー。ってビニールテープも無いの?これも預けてきちゃったの?
  もうちょっといろいろ考えてさあ、持ち物移し替えてから出発しようよ。アホすぎるだろう、せめてパンをグルグル巻くもの、紐のようなものがあれば、ハッ、監督代行を止めている輪行用ストラップが。

  んーこれはもしかして、パンではなくて監督を穴に詰めればいいのでは?

  じゃじゃーん。天才すぎる。これで穴エッジのダメージは無し。


  …なわきゃありませんでした。
サドルと監督では固さが違いすぎる。座ったら簡単に潰れきってしまってサドルベースの感覚はしっかりと尻に。恐らくパンでも同じ。

  それにこの牛、握るとピューピュー鳴くので、ケツを動かす度にピューピューと五月蠅い可哀想ったらありゃしない。
  前回のPBPでカウベル熊鈴をチリンチリン鳴らしっぱなしで集団内で怒られた日本人の話を思い出した。ロングライドは疲れてくると小さなことがストレスになる、この牛のピューピューも他人が聞いたら殺意が芽生えるレベル。

  素晴らしいアイデアかと思った監督下敷き作戦はたった数百mで終了。
  結局どうしたかというと、サドルを思いっきり高くして先端部分にケツを突き刺す感じで乘ることに決定。これだと座骨で挟んでる部分は痛くないからね。でもこんな乗り方は明らかに100km持たない。別の場所が痛くなったらまたその時に考えよう。

  ケツ突き刺し作戦で痛みは多少治まり(というかロキソニン飲んだんだっけ)、次のPC、Fougeres。

  PCを出て町の人の歓声を受けながら、「やっぱソロタンデムは声援の大きさが違うぜ」なんて手を振っていたらミスコースしてた。声援じゃなくて「そっちは違うー」って叫んでたのか。恥ずかしがりつつ引き返し。

  4年前や8年前のことって結構覚えてるもんだな。
この電柱は佐藤夫妻が寄り掛かって寝てたな、とか、

  この人たちの少し先ではガレージにマットを敷いて仮眠所提供してくれてたのに今回は無いのか、とか

  鳥みたいな形をした木が4年前と変わらず残ってる!とか

  いろいろ思い出しながら走ってた。
PBPのコース、単調でつまんないなんて良く言われるけどそんな事無いんじゃないかな。

  あ、4年前と違っていたこと。たぶん牛が増えてる。
  しかもこの謎柄のガラのワルそうな牛が増えてる。
こいつら遺伝的に強いのかもしれん、そんなのヤだー。

※下4枚はPBP2011の写真

2 件のコメント:

  1. カウベルじゃなくってbearbell鳴らしてたらドイツ陣に文句言われましたね〜。ウザいからぶっちぎっちゃったけどw

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    1. あーカウベルじゃない!そんなヤツいねえ。
      鈴鳴らしっぱなしって恐らく日本だけだろうし、ベルだと思うと不快に感じる人もいるかと。程度にもよりますが後ろでずっとベル鳴らされてたら気になりますもん。
      自分は不快に感じたら千切ります。

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