■ここまでのあらすじ
2012年8月に北海道で行われた1週間で2,3,4,600kmブルベを走るイベント、通称パラダイスウィーク。
これに参加しようと思うが宇都宮山岳ブルベと重なる日程。平坦より山岳のほうが楽しいため宇都宮を2日走ってから北海道に向かい、最終日の300kmだけ走るプランをたてる。
が初日の宇都宮は自転車との接触でホイール変形。DNF。翌日バスで一旦帰宅して修理し、あらためて北海道を目指す。
調子がイマイチで予定していた速度が出ずに300kmスタートに間に合わず。お疲れ懇親会のみの参加となった。
このまま帰るのも勿体ないため、翌日からは一人でパラダイスウィークのコースをトレース。
200kmは6時間半を切るペースで走れ、調子に乗ってそのまま400kmに繋ぐがそもそも300km以上は一気に走れない人なので夜が更けると共に失速。
個室バス停内に貼りまくられた指名手配犯のポスターに怯えながら仮眠する。
○8/13
2時間ほどで目が覚めた。時刻は丁度0時。
街灯も無い暗闇の中、目的地に向けて出発する。
目的地、目的地はどこなんだろうか。パラダイスのコースでは400kmゴールは知床半島の手前、斜里。
ただ200ゴール後に直ぐに次の400に出発しているため、日程的には(1週間で走ろうとするなら)かなり余裕がある。
今日は生憎の雨予報。斜里まで行かずに適当なところで宿をとるのがいいかもしれない。
20時の時点のPCでは次のPCまで十分持つと考えて食事を採らなかった。
200kmゴールから大福しか食べていないためお腹がペコペコだ。仮眠をとったことで想定以上に時間も経っている。PCまではあと20km。この距離ならばなんとか走れるか。
40分ほどで浜頓別、クッチャロ湖脇の小さな町に到着する。PCはセイコーマートだ。
補給、補給と駆け寄ると開いていない。営業時間の看板には無常にも7時~24時と書かれていた。あと40分、さっき仮眠をとっていなければ。
この町で他のコンビニを探すも開いている店は見つからず諦めて先へ。パラダイスのコースを時間どおりに走れば営業時間内だったはずだが、スタート時刻が違うのでこんなことが起きるのか。PCに行けば確実に補給できるとの考えは甘かったようだ。
この先オホーツク海の道は道幅も広く、コンビニくらいあるだろう。
いや北海道がそんなはずないか、ひたすら続く暗い一直線の道。ここまで150km超を大福1個、もう本当にヤバい(その前に200kmを全力疾走してるし)。
コンビニどころか自販機すらなく、ボトルが空になってからずいぶん経つため脱水でフラフラする。
このまま先に進むのは無理だ。引き返すか?
しかし引き返した所で店なんてあるのか?せめてさっきの浜頓別で自販機くらい探せばよかった。
GPSの地図を見てどれだけ走れば補給ポイントがあるのか考える。回らない頭を過ぎったのは2010年の北海道1200kmブルベ。あの時もこの道を走り、枝幸町で宿泊しようとしたところでホテル前に参加者さとうさんの自転車を見つけ、「ここ泊まることにしたよ、飯食おう」と話しかけたら満室だった事件。
枝幸だ。枝幸市街入り口の交差点にコンビニがあった記憶がある。あれは711では無かったか。安心の24時間セブンイレブン(名前の由来はどこに?)。
ああ救われた、多分あるはず、いや絶対ある。間違いない。2年前も腹減って寄ったんだもの、記憶は正しいに決まってる。
補給の目処がたてば頑張って走れる。あと25kmか。あ、あれ?もしかしたらあのコンビニはセイコーマートだったかも。だんだん不安になってきた、ピンチだ。
おそらくそこにあるだろうと思われた交差点。コンビニの看板が目に入った。やはり、やはりセイコーマートだったか…
しかし驚くべきことに?このセイコーマートが24時間営業。コンビニの神には見捨てられていなかった。
フラフラと補給食を買い漁る。暗闇の中ポツンと立つコンビニで小さな羽虫が凄い。入り口の扇風機など何の役にも立っていない感じで店内の弁当置き場にはビッシリと虫。10匹や20匹では無い。気持ち悪いというより店員が可哀想になってきた。朝になったらこれを全部片付けるのだろうか。
コンビニの軒下も虫だらけでとても座れる状況じゃないため、駐車場の横、暗闇の中で弁当を食べる。
小雨が降ってきた。しかし軒下には虫。悩んだが雨の中弁当を食べた。
食べてる間に雨は止んだが、ここから降り出すのであれば今晩はホテルに泊まればよかったのかも。予報では昼すぎから雨とのことだったのに。
多分ダメだろなと佐藤さんと遭遇したホテルを検索すると最終チェックインは27時。そして今は、27時…。なんというタイミングの悪さ。諦めて出発する。
仮眠をとったとはいえ2時間ではまだ眠い。道の駅でも探して寝ようか?
屋内で寝れそうな場所は無く、3:30、マリーンアイランド岡島前のベンチで寝る。寒かったため着込んだが、5時に起きた時には朝露で全身しっとりしていた。
しかも起きてすぐに雨。もう今日は走る気がしない。体は冷えてしまって寒いし、どこか屋内で暖まりたい。
ここから先はコンビニの度に1時間以上休憩するという超スローペース。雨止まないかなと粘るもそんな素振りは無く、諦めて出発の繰り返し。
とにかく早くチェックインしたいとWEBで調べるもこの先通過する都市のホテルはどこも満室。この時期の北海道は予約せずに飛び込みは難しいんだろか。
ダメ元で前回泊まった紋別セントラルホテルに電話をすると、窓の無い部屋なら1部屋空いているとのこと。普通の部屋より値段も安く、泊まらない手は無い。ここはフロントで自転車を預かってくれて好印象。紋別だと時間的に早く着きすぎてしまうが、コンビニでだらだら時間を潰しながら行けばいいや。ホテルに着いたらドロだらけの自転車を拭く時間も必要だし。
ホテル到着は13時半。フロントに前回自転車預かって貰えたけど今回も大丈夫?と聞く。チェックインの15時までドロだらけの自転車拭いてますと伝えると、もう部屋の準備ができているのでチェックインできますよとのこと。ありがとうセントラルホテル。メンテは30分ほどで済ませてチェックイン。
風呂で温まった後は近くのコンビニでビールとワインを買い(セイコーマートでは500円ワインが沢山売っているのだ)、ホテルのマンガルームで漫画を借りて部屋で読みながら飲んでいると、そのうちに眠りに落ちてしまった。ドラゴンボールってどうなって終わったか知らないから最終巻まで読みたかったな。
■8/13
・走行距離:148km
・ここまでの累積:2020km
・宿泊:紋別セントラルホテル(自転車はフロントで預かってくれた)
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