2017/07/13

2016RAWその18:ゴール

  TSを出発して川沿いの道を登る。左折ポイントを見過ごして直進するところだった、危ない。
  RAW/RAAMでは参加者の安全のためコースの逆走は禁止されている。もしミスコースしたら車に乗ってルートに戻らなくてはならないが、サポートカーと連絡が取れなかったら詰む(まあその場合はペナルティ覚悟で自走で戻ることになるのだろうが)。

  ここまで曲がり角なんて殆ど無い道をずっと走ってきたから、こういう道なりから外れて細い道への左折は見落としやすいよな、なんて走っていたら、嫌な考えが頭を過ぎった。
  暫く走れどなかなか来ないサポートカー。あちい、これは確実にミスコースしてるだろ、止まって休みながら進む。数十分が経過後にサポートカーは現れ、「ゴメンゴメン、道間違えちゃった」ってやっぱりね…
  「私も間違えそうになったし、なんかそんな予感してたからいいよ」と煮えくり返りそうな腸を抑えて喋る、いや別に怒ってはいなかったっけ、ただ疲れ切っていただけ。

  この区間、「野生の馬に注意」と本部からのショートメッセージが来ていた。野生の馬?なにそれ?


ホントにいたー

  この後の区間は「野生のシカに注意」だとか「野生のエルクに注意」だとかメッセージが流れていた。我々が走るのはここまで、エルク見たいなー。


コロラド州突入

  これまでの赤土やゴロゴロとした岩は一気に無くなり、周りには木々が。


木があるだけで幸せ、暑いけど


砂利道が数kmにわたって続く

  バイクコントロールは下手だし、疲れているし、砂利道走行は神経を使う。日中の暑さはピークに達し、車内で45分ほど休憩。
  この辺りで会った別チームのクルーは「レーサーが遅いから飛行機の時間が間に合わねえ」文句言ってた、なんて話をクル-から聞いた。まだ制限時間には余裕があるはず、恐らくそのチームのレーサーももっと速く走れるつもりだったのだろう。多分どこも似たようなものだな、と苦笑い。

  ダートが終わるとすぐに、最後のチェックポイントCortezの街並み。結構大きい都市で、道路脇には歩道が整備されていた。要するにサポートカーが停止していい場所が無い。TSまで補給できず。


■TS13: Cortez(1423km)

  スタートから75時間52分経過。残りはあと70km。ウォルマート駐車場で1時間ほど休憩。
  ここのウォルマート、かなり大きいのにベライゾンの電波が入らない。電話が繋がらないと本部への通過連絡ができないわけで、加藤さんのdocomo電話をローミングして連絡、ここまではベライゾン1強状態だったが、やはり複数回線あったほうが良さげだ。

  心配していたこの日の宿は、ウォルマートを出発して電波が入るようになって直ぐに予約できたようだ。


市街地を抜けると最後のヒルクライム

  市街地走行は苦手で三和さんからよく注意を受けた。第一車線が右折レーン(右側通行ね)だったり、左折したい場合はもっと早くから内側の車線に入れと、右車線を走っていたら危ないと。
  右側通行にはすぐ慣れるのに、こういうクセはなかなか抜けない。日本も自転車は第一車線なんてルール無くなればいいんだけど、まあこれはちょっと無理げな話か。

  ここコロラドに入り、ようやく私の知っている木々に囲まれた山に出会えた。最後のヒルクライムは思いっきり走った。


標高2560m、RAWの最高地点

  写真を撮ってちょっと走ったところで、もう一枚皆で撮ろうということに。


下りに備えて長袖ジャージを着る

  ほんの数時間前までは30℃後半の中を走っていた、現在の気温は9℃、その差は30℃。


多分スタートしてから始めて笑った


三和さんは撮影係

  夕焼けに赤く染まる空。しかしゴールのデュランゴに向けては青いグラデーションがかかっている。なんとも不思議な色合いだった。結局スタートしてからずっと、空に雲を見ることは無かった。変わりゆく色の変化を眺めていた3日間だった。

  最後の下りは慎重に走り、ゴール手前で暗くなってきた尾灯の電池を交換し、途中のTSで貰った日本国旗を手にしてゴールした。


4:34にゴールシーンが一瞬。再生ボタン押すとそこから再生します。


■Durango(1494.1km)

  ゴール。完走タイムは79時間49分。ルール違反のペナルティ無し、男性ソロ50歳以下は15人出走で9人完走、うち6位。
  長かった。RAAMクオリファイ獲得の制限時間まではまだ8時間半あるが、少しのミスでどうなっていたかわからないギリギリのゴールだった。


使用後

  ……黒い。

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