車内で3時間程の睡眠、真夜中のプレスコットを後にし、峠に向かう。
ドアの開閉音で何度か目覚めちゃって、この辺りは事前にもっとクルーに伝えておかなくてはいけなかったかな。(次の睡眠時はドアバタンと閉めないでと伝えたけど)
ま、とにかく少しは眠れたし、これで集中して走れるはず。
標高1500mまで下ってから2150mまでの登り。出力はそこまで回復していないんだけど、それでも寝る前のフラフラ状態からはだいぶマシになっていて、何人かのRAAM参加者を抜きつつ頂上へ。この時間にこの標高だと暑くないのがいいね。
前の晩と同じようにトランシーバーで皆からの応援メッセージを読んでもらいながら走る。ライダーからの返答メッセージと聞かれたので「今後アリゾナと名の付くものは全て捨てる」とここまでの気候への怒りをぶつけた。
ピークからの下りは暑くないどころか半袖では寒い。長袖を羽織ってタイトなカーブが続く下り。急斜面でもあり、車より自転車のほうが速いのだけれど、夜間はダイレクトサポートから外れてはいけないので後ろを気にしながら走る(とはいえこの速度で真後ろは危険なためある程度先行する)。サポートのドライバーも大変だな。
下りの途中でジェロームという街を通過、火事があったようで消防車が出ていてゴタゴタしてた。下りきって大通りに出たところで、あれまた眠気が。
さっきの睡眠からまだ2時間半しか経っていない。しばらく寝なくていいようにと時間延長してまで寝たのに、もう眠くなっちゃうの?速度域や、暑さや、普段のブルベとは体へのダメージが違い過ぎていて、休憩にかける見積もりがかなり甘かったようだ。上位陣はこの環境の中を殆ど寝ずに走っているというのか……。
20分ほど休憩して出発。緩やかな下りを25km走って次のTSへ。
■TS8:Camp Verde(804.7km)
ようやく半分を超えた。経過時間は39時間36分。前のTSでの睡眠時間があるため、区間平均速度は10km/hとここまでで最も遅い。
全体タイムとしても厳しい感じだ。ゴール後には食事会があり、これは「スタートから73時間」と「スタートから97時間」のどちらかを選択する。我々は帰国便があるため、最初の日、73時間のほうに申し込んだ(本来こちらはチーム参加者向け)。このペースで走っていては完走パーティーに間に合わない。
ま、ここからの気温は若干下がるわけで、速度が回復したら73時間はなんとかなるんじゃないかなー。そんな甘い考えで、冷えた体を温めるべくカップラーメンを食べ、GSの駐車場でまたまた寝る。40分の休憩。
標高は950m。ここからはまた2200mまで登り。ホントこのコース、気温は置いといてアップダウンだけでも結構ハードだ。普段は登り好きだとはいえ、正直言ってもう走りたくない。登りも平地も下りも。
まだ肌寒い夜明け前、これからの登坂にウンザリしていると、後ろからスタッフカーが猛スピードで追い抜いていき、少し前で止まって我々に静止を促す。「連絡見ていないのか?」
連絡って?本部からの連絡は登録した携帯電話にショートメッセージで届く。そういえばこの登り区間、道路から油が溢れている?とかで、最大限に注意しろってメッセージが来てたんだっけ?
どうやらその後のメッセージで「この区間は危険だから車に乗って移動しろ」と指示が出ていたらしい。やった!走らなくて済む。自転車を積み、標高1400mまで一気にワープ。出来れば上まで運んでもらいたいのだけど。
ピークまで登った後は、2000m超の高地での緩やかなアップダウン。
すごい、暑くない!
そしてなんとこの辺り、
いや、いいね木。昨日は木なんてどこにも無かったしね、懐かしいね。
標高が高く木々が茂っているとはいえ、湿度は極端に低い為に自然発火して山火事になることがあるようだ。実際焦げ跡が何か所か見られた。
RAAMの選手2人と同じくらいの位置を走っているようで、他チームのクルーから何度も応援される。クルー同士も何度かお話したようだ。
左手には湖、なんだけど干上がっちゃってるのかな?湖面は見えずに湿地のようなスペースが広がっていて、眺めも豪快。
あ-ずっとこんな道ならいいのにな。
■TS9:Flagstaff(970.2km)
スタートから47時間55分、丸2日が経過した。区間平均速度は19.9km/h。走行速度はたいして上がらないし、休憩を考えるとこの先はこのペースで進むことになるだろう。残り500km強、グロス20km/kで走って完走パーティーはギリギリか。
ウォルマートでの買出し、ガソリン給油と、このTSでは50分ほど休憩。
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